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「モンスターズ/地球外生命体」 2010

モンスターズ/地球外生命体(字幕版) 

★★★☆☆

 

あらすじ

 メキシコの地球外生命体が増殖する危険地帯で、現地でけがをした社長令嬢をアメリカに無事に連れて帰るよう依頼されたカメラマン。

 

感想

 地球外生命体が登場するからと、パニック映画かと思って観ると拍子抜けする。もはや地球外生命体を見てパニックを起こす時期は過ぎ、そこで暮らす人々にとっては、それが日常となってしまっているという設定の映画だ。

 

 勿論、だからと言ってエイリアンと仲が良くなったとわけではなく、時々人が襲われて死ぬこともあるし、彼らに対する攻撃の巻き添えになって死ぬ人もいる。人々はそんな現実を受け入れて、そこで淡々と生きている。映画は、そんな場所にやって来た二人のストレンジャーの紀行記のような様相を呈している。紛争地帯のルポみたいなものと言ってもいいのかもしれない。

 

 

 エイリアン自体もそんなに登場せず、結婚を控えた社長令嬢と彼女を送り届けるよう命令されたカメラマンが国境に向かう様子が静かな調子で描かれていく。最初はそのことに気付かず、エイリアンに襲われる事もなく、だらだらと二人で夜の街を飲み歩く姿が描かれる事に少しイライラしたりもしたが、次第に映画の意図が呑み込めてきた。

 

 家から遠く離れた旅の途上にいる時に限って、なぜか家族や友人の事について考えてしまうものだが、旅先の人々の暮らしを眺めていたら自然と彼らの姿が思い浮かんでくるからだろう。そして、どこに行っても変わらない普遍的なものがそこにあることにやがて気付く。エイリアンがいる様な非日常的な場所に住む人々にも、宇宙のどこかからやって来て地球に住み着くことになってしまった生命体にすらもそれはある。

 

 あまり婚約者とうまくいっていないような社長令嬢と、別れた妻との関係でなかなか子供に会えず寂しい思いをしているカメラマン。ラストは必然だったようにも思えたが、それは旅の魔力だと言わんばかりにさっと救助隊に連れていかれる呆気なさが逆にいい余韻を与えてくれた。旅なんてそんなものだ。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本/撮影 ギャレス・エドワーズ

 

出演 スクート・マクネイリー/ホイットニー・エイブル

 

モンスターズ/地球外生命体 - Wikipedia

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