★★★★☆
あらすじ
空港の飛行機を待つ列で口論となった見ず知らずの男女は、同じリゾート婚に出席する道中である事を知る。
原題は「Destination Wedding」。87分。
感想
同じ結婚式に出席する見ず知らずの男女が、その道中を共にする物語だ。結婚式を含めたいくつかのイベントで舞台を移動しながら、二人が延々と会話する様子が映し出される。二人とも少し変人で、まるでウディ・アレンの映画のようでもあるし、やさぐれたバージョンの「恋人までの距離」のようでもある。
キアヌ・リーヴス演じる男とウィノナ・ライダー演じる女、二人がともに結婚式の参列に全然乗り気じゃないのが面白い。それぞれに事情があるからというのもあるが、元々両者の性格がひねくれているからという方が大きいだろう。式を遠巻きに見ながら二人で常に皮肉や毒舌を口にしている。最初は互いに最悪の印象を持ったのに、似たような性格のせいなのか、他の参列者の輪からのけ者にされているせいなのか、なんだかんだで常に行動を共にしている。
二人が喋り続ける様子を延々と眺める映画なので、集中力を要して多少しんどく感じる部分がないわけではないが、そこで交わされるシニカルな会話はなかなか楽しませてくれる。結婚式を抜け出した二人が結ばれるシーンでも延々としゃべり続けていて、そこまでそんな調子なのかと笑えた。それから、バカみたいに高いホテルのミニバーについての一連のやり取りも、小市民感が溢れていて可笑しかった。
ただそんな調子の二人も、式が終わって帰路につく頃にはまた心がすれ違い始める。何となく全体の調子が狂ったようになり、帰りの飛行機の中の会話はだいぶダレてしまった。そういうシーンが必要だったというのは理解できるが、もうちょっと簡潔にしても良かった。
その後はある意味で予想通りの展開で、それについては特に文句はないのだが、あんなに頑なだった男が案外あっさりと心変わりしたなと拍子抜けしてしまった部分はある。それでも90分弱の尺の長さは程よいし、小粋な雰囲気もあって、個人的には好きなタイプの映画だった。
スタッフ/キャスト
監督/脚本 ヴィクター・レヴィン
出演 キアヌ・リーブス/ウィノナ・ライダー
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