★★★☆☆
あらすじ
自分の曲が大手レコード会社の社長に盗まれた事を知り、激怒する駆け出しのミュージシャン。「オペラ座の怪人」を翻案したミュージカル映画。
感想
自分の曲を盗まれ、陰謀で刑務所にまで入れられてしまった主人公。ただ、怒り狂ってるうちにあっさりと脱獄をしてしまったのは面白かった。まさに怒りの脱獄。この辺はミュージカルなのでノリが大事ということなのだろう。
そして主人公は、怒り過ぎて我を失い、事故って喉をやられ、顔にも大きな傷を負ってしまう。その傷を隠すようにマスクをするようになるのだが、いつもマスクが少しズレているように見えて、出てくるたびに気になってしまった。
異様な容貌になってしまった主人公に、彼の作品を盗んだレコード会社社長が再び声をかけて二人は一緒に仕事をするようになるのだが、声をかける社長もそれを受ける主人公も凄い。主人公はそれでも自分の作品を世に出したいという欲求が強かったのだろう。
そんな主人公を利用する社長も山師のような怪しい男だ。独特の容貌で怪しい気配を漂わせている。彼の住む豪邸や、彼の劇場、そして主人公に楽曲製作させた小部屋等のセットが昔のSF特撮風で、マスク姿の主人公の存在も相まって、今見ると逆に新鮮で魅力的な雰囲気となっている。
「ファウスト」や「ドリアングレイの肖像」などをモチーフにしているということで、主人公や社長の芸術に対する並々ならぬ情熱が描かれている。美のためなら悪魔にでも魂を売る、といったような超人たちの世界だ。
個人的にはこのミュージカル映画の中で使われる楽曲にあまりグッと来なかったので、内容にあまりノれなかった。そもそもベースとなっている「オペラ座の怪人」にもピンと来ていないので仕方がないのかもしれない。
スタッフ/キャスト
監督/脚本 ブライアン・デ・パルマ
出演/音楽 ポール・ウィリアムズ
出演 ウィリアム・フィンレイ/ジェシカ・ハーパー/ゲリット・グレアム
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