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「青春怪談」 1955

青春怪談 [DVD]

★★★☆☆

 

あらすじ

 幼馴染で変わり者同士の子供たちを結婚させようとする親たちと、独り身の親同士を再婚させようとする子供たち。

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感想

 親が子供の、子供が親の結婚を画策する物語だ。コメディと言ってもいいが、タイトルにある「怪談」の言葉のせいで幽霊でも出てくるのかと警戒してしまい、中盤くらいまではうまく映画の世界に馴染めないでいた。しかも、ほのかに可笑しみが湧いてくるタイプのコメディなので、笑い自体が弱かったというのもある。

 

 しかしこの「怪談」というワードは、一般的に想像するような、幽霊的なものの意味ではないのだろうか?おかしな展開になっていく物語なので、そいう意味で使っているような気もするが、辞書的にはそんな意味は無いようだ。主人公らのカップルに割って入って来る芦川いずみ演じる女が幽霊ぽかったが、もしかしたらそれを指していたのかもしれない。

 

 

 二組の親子が中心となるが、その中では娘役で主人公でもある北原三枝が良かった。バレエに夢中で結婚は眼中になく、男っぽいさっぱりとした性格だ。飾り気のないシンプルな髪型やファッションはとても現代的だった。

 

 50歳が近づいても子供っぽいと言われていた相手役の母親とは対照的だ。彼女のように何も考えない、可愛いだけの少女のままで居させられていた女性が、現代に至るまでにそんな押しつけを少しずつ取っ払って来たということなのだろう。現在でも通じそうな、主人公の凛とした姿は鮮烈に印象に残る。

 

 結婚に対して感情が揺れまくりの親世代と、合理的に考える子供世代の対比が面白いが、この当時の若者はこんな風に見られていたということなのだろうか?ただこれは極端なだけで、いつの時代も若い世代は冷めていると評されがちなのでそれに倣っていると言える。

 

 怪談でないらしいことが分かり、物語に馴染めるようになって来た中盤以降はグッと面白くなって楽しめた。市川崑監督のコメディーに出てきがちな、三橋達也演じる周囲の感情的な反応に戸惑う飄々とした男のキャラクターも良かった。若い二人が挨拶を交わし機械的に別れるロマンチック度ゼロのエンディングも可笑しい。

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スタッフ/キャスト

監督 市川崑

 

脚本 和田夏十

 

原作 青春怪談 (ちくま文庫)

 

出演 北原三枝/山村聡/三橋達也/轟夕起子/山根寿子/瑳峨三智子/芦川いづみ/千田是也/滝沢修/宇野重吉/北林谷栄/高品格/小田切みき

 

音楽 黛敏郎

 

青春怪談

青春怪談

  • 山村聰
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青春怪談 - Wikipedia

 

 

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