★★★☆☆
あらすじ
東西ドイツの統一後、東ドイツから西ドイツを目指す潜伏していた元エージェント。フランス映画。62分。
感想
良く分からなかったというのが素直な感想だ。年老いた主人公が東ドイツから西ドイツに向かっていることが薄っすらと分かる程度だった。そもそも主人公の「レミー・コーション」という名の人物は、007シリーズのジェームズ・ボンドのように、現地では有名なスパイのキャラクターのようで、それすら知らなかった。
その他にもこの映画の中では、たくさんの本や映画、音楽などが引用されているようだ。だからそれらの知識がないとあまり楽しめないのかもしれない。ただ、途中で自分の知っているドン・キホーテが出てきたときは少し楽しくなったので、逆に言えばこれらの知識があればあるほど面白く感じられる映画だと言えそうだ。
あるいはこの映画は単体で楽しむものではなくて、監督のインタビューだったり、評論家の解説や批評、人々の解釈などの映画周辺の情報を取り込むことも含めて楽しむものとも言えるかもしれない。実際、映画の情報を調べることで、理解が深まった部分もある。
上映時間が一時間ちょっとということもあって、よく分からないながらもそんなに苦痛なく見終えることができた。最後の、西ドイツにたどり着いた主人公が、消費社会の象徴ともいえる華やかな都市を目の前にして、あまり嬉しそうではない表情をしていたのが印象的だった。
スタッフ/キャスト
監督/脚本/編集
出演 エディ・コンスタンティーヌ/ハンス・ツィッシュラー/キム・カシュカシャン /(声)アンドレ・S・ラバルト
音楽 ギャヴィン・ブライアーズ/ジャチント・シェルシ/フランツ・リスト/ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト/ヨハン・ゼバスティアン・バッハ/イーゴリ・ストラヴィンスキー/パウル・ヒンデミット/ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン/ドミートリイ・ショスタコーヴィチ
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