★★★★☆
あらすじ
アメリカ旅行中に夫と喧嘩して一人歩き出したドイツ人女性が、砂漠に佇むカフェにたどり着く。
原題は「Out of Rosenheim」。西ドイツ映画。108分。
感想
何もない砂漠の中で、旅行者が給油のためだけに立ち寄るような場所が舞台だ。そこを経営する家族とそこに居つく人たちの間には、刺激もなく変わり映えのない毎日に、気だるい倦怠感が漂っている。そんな場所に現れた一人の旅行者。夫と喧嘩して、行くあてもなかった彼女はそこに居つくようになり、次第に彼らの気だるい日々が変わっていく。
登場人物に美男美女がいないのも珍しい。主人公も太った女性だ。だが、こんな何もないような所だからそれが自然なような気もする。しかし、広大なアメリカの中には、こんな場所がきっとたくさんあるのだろう。
最初は風変りな映像が続いて、どうにも落ち着かない感じだったが、やがてバグダッドカフェでの生活が始まるあたりから、安定して見られるようになった。一人の女性によってカフェ周辺の雰囲気が変わっていく。そして、長距離トラックドライバーの間で話題になり、賑わうようにさえなる。
その過程はなかなか楽しいが、ひとりタトゥー屋をやっていた女性が出て行ってしまったのが印象に残った。人で賑わい笑顔が溢れる場所を望まない人もいる。元々活気のない場所だったが、それを気に入っていた人もいるのだと。誰にとっても素晴らしい場所なんてないのかもしれない。
スタッフ/キャスト
監督/脚本/製作 パーシー・アドロン
出演 マリアンネ・ゼーゲブレヒト/CCH・パウンダー/ジャック・パランス/クリスティーネ・カウフマン
バグダッド・カフェ ニュー・ディレクターズ・カット版 | 映画 | 無料動画GYAO!