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「スーパーマンIII/電子の要塞」 1983

スーパーマンⅢ 電子の要塞(字幕版)

★★★☆☆

 

あらすじ

 世界を牛耳ろうとする大企業の社長にこき使われている天才ハッカーは、ことあるごとに立ちはだかるスーパーマンを弱体化させる方法を発見する。

 

感想

  序盤に何の脈絡もなく、いきなりスラップスティックなドタバタ劇が始まり、その面白くなさにのっけから戸惑ってしまった。その後も数回そんなシーンがあるのだが、何の意味があるのかよく分からず、今振り返るとあれはもしかしたら夢だったのでは?と疑ってしまうほど。きっと難しく考える必要はなく、ただコミカルなシーンを入れたかっただけなのだとは思うが、せめて納得できるきっかけを用意してほしかった。もしかしたら見逃しているだけで、悪役の恋人が魅力的すぎて、彼女を見ると皆調子が狂ってしまうという事だったのかもしれないが。

 

 開始から中盤までは、悪役が悪事を行い、スーパーマンがそんなことはつゆ知らず、正義心からそれを阻止するという流れで、可もなく不可もなくといったいつもの調子。だがハッカーに弱点を突かれ、スーパーマンの様子がおかしくなってしまうあたりから段々と面白くなってきた。まずスーパーマンが弱ったり苦しんだりするのではなく、やさぐれてしまうという謎の設定が可笑しい。助けに行かなくなったり、余計なことをしたり、女にすぐ手を出したりと、スーパーマンのパロディーでやりそうなことを全部やっている。

 

 それからある日ハッカーの才能に目覚めた男が、突然高級車で出社するという横領したことがバレバレの行動を取ったり、いつも持っていたヨーヨーがある時から急にヴィトン製のヨーヨーに変わったりと、悪事に手を出した人間がやりそうなことを、軽薄に分かりやすさ全開でやっているのが面白かった。

 

 そして今回スーパーマンが対決するのは、変なヴィランとかではなく、やさぐれてしまったスーパーマン自分自身だというのも良い。よく考えるとなんで二人いるの?と思わなくもないが、いわば自分の中の善と悪が戦っているという事なのだろう。

 

 

 中盤以降は、先が読めない展開でなかなか楽しめたが、最後もそんなことになるのかと予想外だった。ありがちな話ではあるのだが、まさかそれをここに持って来るとは思わなかった。しかし、悪役にこき使われてばかりのハッカーがへそを曲げ、開き直って出した条件が、「最高のコンピューターを用意しろ」だったのはなかなか味わい深い。いつの時代も、部下は上司にスペックの良いマシーンを要求するものなのだなと、普遍的な世のことわりを見た思いがした。

 

スタッフ/キャスト

監督 リチャード・レスター

 

出演 クリストファー・リーヴ/リチャード・プライアー/アネット・オトゥール/マーゴット・キダー/ジャッキー・クーパー/ロバート・ヴォーン/ギャヴァン・オハーリー

 

スーパーマンⅢ 電子の要塞(字幕版)

スーパーマンⅢ 電子の要塞(字幕版)

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スーパーマンIII/電子の要塞 - Wikipedia

 

 

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