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「トゥ・ザ・ワンダー」 2012

トゥ・ザ・ワンダー(字幕版)

★★★☆☆

 

あらすじ

 フランスで出会い、アメリカに渡った男女の愛の行方。

 

感想

 フランス人女性とアメリカ人男性の愛の模様が描かれていく。ただしっかりとした物語で描くのではなく、断片的で抽象的な映像を積み重ねていくだけなので、不明瞭な部分は多い。観客の想像力に委ねていくスタイルと言えるだろう。このタイプの映画は得てしてダルくなりがちなのだが、この映画は程よくイマジネーションを掻き立て、次なる展開に関心を持たせてくれる展開なので見ていられる。フランス人女性を演じるオルガ・キュリレンコが美しく魅力的なのも大きい。

 

 映し出されるのは、出会いや別れ、倦怠や喧嘩、そして浮気に和解など、一組の男女に起こる様々な出来事だ。どんなカップルにも起きるような出来事ばかりで、下世話に俗っぽく、リアルに描くことも出来るが、美男美女で詩的に描けばこうなる、みたいな映画だ。愛し合っていたはずの男女がいつの間にか気持ちが離れてしまう不思議も感じる。

 

 

 そして二人の他にひとりの神父も登場し、男女の愛だけでなく、神への愛も描いている。いっこうに自分の愛に応えて姿を現してくれない神に言及することで、愛とは何かを考えさせる。タイトルの「ワンダー」は、「西洋の驚異(Wonder of the Western World)」と称され、カトリックの巡礼地でもあるモン・サン=ミシェルの事を指しているようだ。このカトリックの巡礼地が映画の最初と最後に登場していることもあり、どこか宗教色の強さを感じる映画だ。二人の愛も多分に宗教的な視点から見ているように思える。

 

 

 抽象度が高いラストはどうとでも取れる結末だったが、男は愛を見つけ、女は再び愛を求めて歩みを始めた、と言ったところだろうか。様々な暗示が散りばめられて、何度でも見られそうな映画となっている。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 テレンス・マリック

 

出演 ベン・アフレック/オルガ・キュリレンコ/ハビエル・バルデム/レイチェル・マクアダムス

 

撮影    エマニュエル・ルベツキ

 

トゥ・ザ・ワンダー - Wikipedia

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