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「タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら」 2011

タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら(字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

  週末を山小屋で過ごそうとした中年男二人組は、たまたま出くわした大学生グループに殺人鬼と勘違いされてしまう。ホラーコメディ。

 

感想

 中年男二人組が週末を過ごそうと訪れたのは、二人で購入したぼろい山小屋。それをコツコツと修復して、週末を過ごす理想の別荘にしようとしている訳なのだが、なかなか楽しそうな遊びだ。田舎と言えども精神的に豊かな生活で羨ましい。そして、二人の友情もいい。

 

 そんな二人が山中で遭遇した都会の大学生グループ。互いに何も悪くないのに、誤解が誤解を生んで対立し、エスカレートして惨劇となってしまう。それが殺人鬼映画でよく見るシーンをもとにパロディにしていて面白い。ちょっとした効果音でそんな雰囲気が出てしまう事が良く分かる。そして、登場人物たちの見事な死にっぷりに爆笑してしまった。なかなかグロいシーンもあるのだが許容範囲。

 

 

 ちょっと抜けている二人組に対する大学生グループのリーダーが、頭のおかしい底抜けな馬鹿といった感じだったのが良かった。コメディとはいえ、人が死ぬことには少し罪悪感を感じてしまうのだが、あまりにも相手がバカすぎるのでまあいいかと思えてくる。これが中途半端な能天気な大学生というだけだったら後味は悪かったかもしれない。コメディでも敵役は際立ったキャラクターの方がいいということか。

 

 笑える単純に面白い映画だが、この映画の構造は、ちょっとした先入観やステレオタイプから誤解をした集団がいて、その中の一人の馬鹿が拡大解釈して仲間を煽り、仕方なく対応する相手との対立を深めていくという、現実世界でよく見る流れ。よく考えると意外と深みがある。ヘイトをまき散らしている人の頭の中でも何かに反応して、ホラー映画の効果音が鳴り響いているのかもしれない。

 

 中年の二人組のうち、小太りで引っ込み思案な主人公が、相棒が色々と酷い目に遭っているのに、自分だけほぼ無傷でさらには幸せまで手に入れているのはかなりアンバランス。でもそれが面白い。

 

 こういうコメディ映画は一歩間違えると全然笑えなくなるので不安だったが、ちゃんと笑える映画になっていたので安心した。気軽に見るにはいい映画。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 イーライ・クレイグ

出演 タイラー・ラビン/アラン・テュディック/カトリーナ・ボウデン/ジェシー・モス /フィリップ・グレンジャー/ブランドン・マクラレン/シャーラン・シモンズ

 

タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら - Wikipedia

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