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「地獄の花園」 2021

地獄の花園

★★★☆☆

 

あらすじ

 中途採用でやって来て瞬く間に社内の番長となった女子社員と仲良くなるも、他社との抗争に巻き込まれてしまった普通のOL。102分。

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感想

 ヤンキーものをOLの世界でやってみたコメディだ。経理部との経費の見解をめぐる応酬とか、会社員ならではのネタが見られるのかと思っていたら、ただ舞台が学校から会社に変わっただけの、単純に喧嘩に明け暮れるだけの物語だった。あまりのひねりのなさに冒頭では寒々しさを感じてしまった。

 

 だが見ているうちに次第に慣れてくる。普通にヤンキーものを見ている感覚になってくるから不思議だ。考えてみれば一般的なヤンキーものだって、学校の授業がどうとか、テストの結果がどうとか、学生の本業についてはほとんど描かれない。

 

 

 彼女たちの戦いは、社内の争いから他社との争いへと発展していく。そして敵だった者たちが次々と仲間に加わっていく。主人公が劇中で挙げていた「クローズ」などのヤンキー漫画のパロディーといった内容で、自らツッコミを入れつつ、その王道的ストーリーが展開される。笑えるし、普通に物語としても楽しめた。あまり見ることのない、女たちがガチで殴り合っているシーンが見られるのも面白い。

 

 そんな彼女たちの抗争を普通のOLとして傍観し、冷めた目で観察しつつツッコんでいた主人公が、突如当事者となる展開も意外性があった。そして、OL会最強の女との対決となっていく。

 

 この対決の決着がつくまではへらへらと笑いながら見ていられたのだが、このあとのエンディングまでの30分ほどの蛇足ぶりがすごかった。もう最強が決まったのだからと自分の中ではもう満足してしまっていたのに、すでに過去のキャラとなっていた広瀬アリス演じる友人が再登場してグダグダやり出した。今さらOLの所作をネタにしたりと、ダレてしんどい時間が続いた。途中までは良かったのに尻すぼみがすごい映画だ。

 

 ただ、喧嘩が強いから何なの?と、この映画の根本を否定するようなツッコミをラストに持ってきて、ネタ元であるヤンキーものすら風刺してしまっていたオチは好きだった。

 

 しかし、OLがヤンキーやってるとか意味不明で荒唐無稽な物語に対して、真面目に語っている自分が馬鹿らしくなってくる。そういう意味でズルい設定の映画だなと思わなくもない。

 

スタッフ/キャスト

監督 関和亮

 

脚本/出演 バカリズム

 

出演 永野芽郁/広瀬アリス/菜々緒/川栄李奈/大島美幸/勝村政信/松尾諭/丸山智己/遠藤憲一/小池栄子/森崎ウィン/ファーストサマーウイカ/近藤くみこ/かなで/室井滋/伊原六花

 

地獄の花園

地獄の花園

  • 永野芽郁
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地獄の花園 - Wikipedia

 

 

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