★★★★☆
あらすじ
日々を無為に過ごす男はある日、パチンコ屋で知り合った男の家を訪れる。
キネマ旬報ベスト・ワン作品。120分。
感想
役者陣が皆いい演技をしているが、特に菅田将暉が良い。頭は悪そうだがいい奴という役を、本当に頭悪そうでいい奴に演じている。
脳梗塞で倒れた父親、その世話で疲れ果てる母親、仮釈放中の息子、そして家族を支えるために身体を売る娘。主人公が知り合った問題しかない一家。しかし、そこから逃れるには家族を捨てるしかないというのが切ない。家族を捨てられない心優しさが、彼らを現状に留めさせる。
そんな一家の娘と恋に落ちる主人公。正直なぜそんなに真剣になってしまったのか良く分からないが、初めて出会った時の二人の意味深な視線が、運命的なものを表していたのかもしれない。
自分の仕事や仮釈放中の弟の面倒を見てくれる男との関係など、様々なしがらみに囚われ、あきらめてしまっている女に対して、一つずつそのしがらみを解いてゆこうとする主人公。様々なものが行く手を阻むがそれでもあきらめない。簡単ではないが、決して乗り越えられないわけではないという微かな光が漂うラストだ。
スタッフ/キャスト
監督 呉美保
脚本 高田亮
出演 綾野剛/池脇千鶴/菅田将暉/高橋和也/火野正平/伊佐山ひろ子/田村泰二郎/奥野瑛太/あがた森魚
音楽 田中拓人
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