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「GRIT 平凡でも一流になれる「やり抜く力」」 2016

GRIT 平凡でも一流になれる「やり抜く力」

★★☆☆☆

 

  近年注目されるようになった、成功するために重要な要素、「グリット(GRIT)」について書かれた本。

 

 著者は広告代理店を共同で創業した二人の女性。なので、科学的な話というよりも、グリットの実例を集めた自己啓発的な内容となっている。

 

 まず「グリット」という言葉が分かり辛いが、簡単に言えば「度胸」「復元力」「自発性」「執念」という要素で構成される「やり抜く力」の事。多くの成功者を調査すると才能やIQよりも、このグリットの有無が重要な要素だったという。

 

つまり才能ばかりが過大評価されるけれども、才能というやつは、一貫して正しい方法で使わないかぎり価値はない。必要とされる労力、ハードワークをつぎ込まないかぎり、それはまだ描かれていない名画、書かれていないソナタ、見つかっていない科学的大発見、実現していない発明と同じである。
p031

 

 グリットがなければ成功しないという話は同意できる。ただ問題はこの「グリット」という言葉の意味するものが曖昧なこと。グリットを構成する要素にしても曖昧で様々に解釈できる。この本もその辺が怪しくて、様々な事例を紹介しているが、本書の構成に合わせて、都合よく解釈しているだけのようにも思えてしまう。常に客観的なデータを示すわけではないので尚更だ。

 

 本書では著者たちの広告代理店の担当者たちが寝る間も惜しんで働き、でかい仕事を獲得した話を紹介し、グリットのおかげだとしている。だけど、悪い方向に転べば、ブラック企業と呼ばれてしまった居酒屋チェーンのようになっていたかもしれない。自分が死ぬほどハードワークするのは自由だが、他人にグリットを求めるのは危険な気がする。

 

 才能やIQではなく、誰もが身につけられるグリットが成功を左右する、というのは、勇気づけられる話ではある。だけど、もし皆が同じようにグリットを身につけられるなら、結局、才能やIQが成功の可否を握ることになる。でもきっとそうはならないってことは、グリットを身につけるのも才能が必要ってことなのかもしれない。

 

 最後の章でグリットは善き行いを目指すっていう話になるのが、取ってつけたような、偽善のような嘘っぽさを感じてしまった。グリットは善き行いをする際にも活かされます、なら許せたけど。自己啓発書として考えるなら悪くない展開なのかもしれないが。

 

著書 リンダ・キャプラン・セイラー/ロビン・コヴァル

 

GRIT 平凡でも一流になれる「やり抜く力」

GRIT 平凡でも一流になれる「やり抜く力」

 

 

登場する作品

Mr.インクレディブル (字幕版)

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なぜ、この人たちは金持ちになったのか (日経ビジネス人文庫)

Dave's Way (English Edition)

Hiring for Attitude: A Revolutionary Approach to Recruiting and Selecting People with Both Tremendous Skills and Superb Attitude

多重人格殺人者〈上〉 (新潮文庫)

炎のランナー (字幕版)

The Secret Thoughts of Successful Women: Why Capable People Suffer from the Impostor Syndrome and How to Thrive in Spite of It

きよしこの夜

成功する子 失敗する子――何が「その後の人生」を決めるのか

バージニア・ウルフなんかこわくない(字幕版)

ウディ・ガスリー わが心のふるさと [DVD]

夜の大捜査線 [DVD]

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サード・メトリック しなやかにつかみとる持続可能な成功

In a Fisherman's Language: An Autobiography by Captain James Arruda Henry (English Edition)

無ケーカクの命中男 ノックトアップ (字幕版)

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脳を活性化させる65の魔法の習慣

 

 

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