★★★☆☆
ドイツの諜報機関チームが、密入国してきたロシア・チェチェン人の男をマークする。
テロ組織というのは末端の人間を捕まえても解決にならなくて、どれだけ中心人物に近づけるかが重要。そのためには末端の人間から辿っていく必要があり、時間をかける必要がある。
しかしそんなテロ組織を追うのも組織で、彼らは彼らで様々な事情がある。目に見える結果を出さないといけない者、テロ組織に関わるものを一時的でも野放しにすることを恐れる者、あらゆる可能性を探りながらより大きな結果を得ようとする者。それぞれの思惑の中で物事は進む。
観ていると結局、責任者の肝っ玉の大きさで成果が違ってくるような気がする。すぐに結果を欲しがったり、容疑者を捕まえないことで何か事件が起きることを怖れビビってしまうと大きな成果を得られず、さらに大きな獲物を得ようと容疑者を泳がす事ができる者だけが最大の目標を達成することが出来る。
最大の成果を得るために遂行していた作戦を組織の誰かに妨害された主人公の、怒りを表しながらも取り乱してしまうことはなく、次第に冷静さを取り戻していく姿が、組織に属する者の悲哀と、そしてどこか強かさを感じさせる。
監督 アントン・コルベイン
原作
出演
レイチェル・マクアダムス/ウィレム・デフォー/ダニエル・ブリュール/ニーナ・ホス/ロビン・ライト/グリゴリー・ドブリギン