★★★☆☆
あらすじ
ロンドンで富豪の中国人夫婦が拉致され、国際警備会社のリーダーはチームと共に救出に向かう。中国映画。
感想
テロ組織に狙われた富豪の一家を救うため、ロンドン、アフリカ、中東と場所を移しながら作戦を行う国際警備会社のチームの様子が描かれていく。だがストーリー自体は大して重要ではなく、アクションを重視したエンタメ作品だと言えるだろう。
映画の舞台にアフリカや中東を使ってくるあたりは、中国の国策が透けて見えるようだ。現地の人たちとの友好ムードも演出していて抜かりがない。関係のない他国の人間が見るとつまらなく感じてしまう場面ではあるが。
アクションシーンは、主人公の部下たちが中心となって繰り広げられる。ＣＧを多用しているので生身の人間がやる凄みは感じられないが、それでも見応えのあるものにはなっている。特に中盤のアフリカでの人質救出シーンは怒涛のアクションが続いて迫力があった。長いリムジンや黄金のSUV・ハマーを使ったカーアクションも面白かった。
主演のジャッキー・チェンはもう歳なので、彼にアクションを求めるのはさすがに酷で期待はしていなかったのだが、それでもその片鱗は見せてくれている。これまで培ってきたアクションのエッセンスをうまく活用している印象だ。昔の彼の映画でよく見かけた老人のカンフーマスターたちの域に彼も達したということだろう。
ストーリーは重要でないとはいえ、悪どい事をしていた人間を助ける話なのでお仕事感が強く、見ていてもあまり気分が盛り上がらないのがネックだろうか。色仕掛けで男を誘惑する古臭いのか、アジア的なのかよく分からないつまらない演出もある。悪くなかったアクションも、最後はそれだけ？みたいな呆気なさで尻すぼみ感があり、どこか締まらない映画になっている。
スタッフ／キャスト
監督／脚本／製作／製作総指揮 スタンリー・トン
出演
ヤン・ヤン／アレン／ムチミヤ／シュ・ルオハン／ジュー・ジャンティン
