★★★☆☆
内容
少年時代の坂本龍馬、岡田以蔵、中岡慎太郎の三人が共に出掛けた浜辺で手に入れた、肉を食べると妖になり、血を飲むと不老不死となる人魚の血肉。それが岡田以蔵から新選組に渡り、隊員たちに様々な影響を及ぼしていく。
感想
各章で登場人物が変わりながら物語は展開する。大塩平八郎の話なども出てきて、各章で時間も前後するが、読み進めるうちに次第に話がつながっていって面白い。
正直、あまり伝奇的な物語は好みではないのだが、人魚の血肉によって新選組のメンバーたちがどのように影響を受けていったのか、興味をそそられる。沖田総司の人魚の肉を食べたことと喀血を結びつけた解釈は面白いアイデアだなと思った。その他の有名な新選組のエピソードも人魚の血肉と関連付けている。
読んでいて少し引っかかり続けるのは、肉を食べるということは血も同時に食べることになるんじゃないかと思わなくもない事だ。その細かい設定が混乱を招いてしまっている感もあった。
著者
木下昌輝