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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「「ない仕事」の作り方」 2015

「ない仕事」の作り方 (文春文庫)

★★★★☆

 

  今までは存在しなかった仕事の数々を生み出してきた著者による仕事術が、実例をもとに公開される。

 

 読んでいて意外だったのは、本人が積極的に売り込みや営業をしているという事。なんとなく本人はマイブームに夢中になっているだけで、それを見た周りが色々と動いているもんだと思っていた。でもよく考えれば、今でこそそれで通用するかもしれないが、無名の頃にそんな風では勝手に仕事が転がり込むはずがない。

 

 そんな著者の仕事術は、もともと戦略的に考えていたのか、経験から身についたものなのかどちらかは良く分からないが、いちいち頷かされ、かなり参考になる。ネーミングが大事だということ、ブームには誤解されることが重要だということ等、実例とともに紹介されるその仕事術は、どれもなるほどと思わさせられることばかりだ。

 

 糸井重里の事務所に行って、自作の曲を勝手に延々と流していたというエピソードは、あまりに大胆すぎて笑ってしまうが、若いうちは思い込みというか勘違いも大事なのかもしれない。この場合は何も言わずにそのままにさせていた糸井重里が凄いが。

 

 そしてそれらの仕事の源になっているのが、それを好きだという気持ち、というのが興味深い。好きだからこそ、それを広めるためなら何でも出来るし、誰よりも好きだという自負があるからタブーに踏み込める。タブーに踏み込んでたとえ反発を受けても、大好きだという気持ちがあるから分かってもらえるはずと自信が持てる。確かに本人が本気だからこそ、面白く感じてしまう部分はある。

 

 映画館で、鑑賞後のエレベーターのあたりですぐに「つまんなかったね」と、一言で片づける人がいます。それは才能と経験がない人です。映画は、面白いところを自分で見つけるものなのです。

p76

 

 本気になれるものを見つけられるのもきっと才能で、それを磨くことが出来るかどうかで、仕事だけでなく人生もどれだけオリジナルで楽しいものになるのかが決まるのかもしれない。

 

著者

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「ない仕事」の作り方 (文春文庫)

「ない仕事」の作り方 (文春文庫)

 

 

 

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