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「イニシエーション・ラブ」 2015

イニシエーション・ラブ 

★★★☆☆

 

あらすじ

 合コンで知り合った女性と付き合い始めるが、転勤で遠距離恋愛をすることになってしまった男。

 

感想

 ファッションや車、文化が80年代後半の雰囲気がよく出ていてそれ自体楽しめる。その頃の流行歌も、物語と歌詞がシンクロするように流れていて、それにもニヤリとさせられる。

 

 イケてない小太りの男が一人の女と出会い変わっていく。女に好かれようと髪型を変え、ファッションに気を配る。そして、小太りの体型から痩せようと決意する。ここで主人公の役者が森田甘路から松田翔太に入れ替わる。

 

 

 正直、それまで森田甘路というよく分からない役者演じるイケてない風の男と、前田敦子演じる女の恋愛模様を長々と見させられて戸惑っていたので、松田翔太が出てきて正直少しホッとした。しかしそれにしても痩せて松田翔太って無理があるし、性格も変わりすぎでしょとは思った。

 

 ここからの二人の遠距離恋愛の様子も、どこか焦点が合わないようなぼんやりとしたものになっている。二人の間に恋愛感情のようなものは感じられず、やたら松田翔太は疲れ果てているし、惰性というか義務感で続いているような感じ。そして、遠距離恋愛にありがちな、身近な別の女性と親密になって別れることになるという展開。このあたりも、ありがちな展開をあまり力の入っていない感じで描いていて、何を観させられているのだ?と戸惑ってしまう。

 

 そして、映画の冒頭にわざわざ「この映画の結末は誰にも話さないでください」と呼びかけられていた驚きの事実が明らかになる。その事実を知ったときの気持ちは、ああそういうことか、という驚きというよりも納得。ハードルを上げていた部分もあるし、映像で表現するには無理があった感もある。やっぱり自分の感じた違和感は間違ってなかったのだな、という妙に納得した気分だけが残った。

 

 でもこの驚きの結末がなければ、本当にどこにでもありそうなベタな恋愛模様をただ眺めるだけだったので、どんでん返しがあってくれて良かった、という安堵感はある。本当は恋愛模様だけでも見せられるレベルに描いていれば、ラストはもっと効果的で衝撃を与えることが出来たのだとは思うが。

 

スタッフ/キャスト

監督 堤幸彦

 

脚本 井上テテ

 

原作 イニシエーション・ラブ (文春文庫)

 

出演 松田翔太/前田敦子/森田甘路/前田敦子/木村文乃/三浦貴大/前野朋哉/森岡龍/矢野聖人/山西惇/木梨憲武/手塚理美/片岡鶴太郎/山寺宏一(声)

 

イニシエーション・ラブ - Wikipedia

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