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「ベロニカは死ぬことにした」 2006

ベロニカは死ぬことにした

★★☆☆☆

 

あらすじ

 自殺を図った女は、不思議な療養所で目覚め、後遺症で一週間後には死ぬと告げられる。

 

感想

 自殺は未遂に終わったにも関わらず、結局は一週間後に死ぬと知った主人公。この主人公がどうしたいのか、伝わってこない。まず現状が、まだ生きている事にがっかりして早く死にたいのか、死んでないことにホッとしたのに結局死ぬと知って落ち込んでいるのか。それが分からないので、その後の主人公がどうしたいのかも分からない。

 

 結局意図の分からない主人公の漂う様を、ただ眺めるというしんどい展開になってしまっている。何をしようとしているのか、そもそも何らかの意図を持っているのかすらわからない人の行動を見させられるのは、拷問に近い。

 

 

 療養所の他の入所者との交流を通して、主人公が生きるということに前向きになっていくという定番の流れ。だが、死なないほうがいいよ、生きていればこんないい事があるよ、という説得の「こんないい事」に、それをお勧めしちゃう?という斬新さはあった。

 

 個人的にはそれも生きるに値する理由の一つだとは思うが、なかなか現実には口憚れることではあるので、こういう映画とかで言うのはありだと思う。自殺を考えている人の何人かはこれで思いとどまるはず。

 

 全体的に夢の中のような非現実的な雰囲気を漂わせていて、その流れで誤魔化せると踏んだのだと思うが、主人公が生きてみようと思い直し大胆になるシーンは、ちょっと無理だった。流石に不自然でコント感が滲み出ていて、笑ってしまう。失笑。原作もこんな感じなのか?とちょっと読んでみたくなってしまった。

 

 ストーリー自体はそんなに悪いものではない気がするので、雰囲気で誤魔化そうとしないでちゃんと丁寧な心理描写をしていれば、それなりのものになったはずだ。残念感がある。

 

スタッフ/キャスト

監督 堀江慶

 

脚本 筒井ともみ

 

原作

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出演 真木よう子/イ・ワン/風吹ジュン/中嶋朋子/荻野目慶子/多岐川裕美/淡路恵子/市村正親/田中哲司/片桐はいり/仁科貴

 

ベロニカは死ぬことにした (2005年の映画) - Wikipedia

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