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「軽蔑」 2011

軽蔑

★★★☆☆

 

あらすじ

 博打で借金を抱え新宿にいられなくなった男が、ストリッパーを連れて田舎に戻る。135分。

 

感想

 序盤冒頭に登場する村上淳が、一切何を言っているか聞き取れない滑舌の悪さで、一気にこちらのテンションをだだ下がりにしてくれる。彼の登場シーンはここだけ。強烈なインパクトは残せたとは思うが、ちょっと嫌いになった。

 

 ただ、その他の登場人物も聞き取れないセリフがあったりするので、監督が気にしてないのだろう。だが、重要なセリフはちゃんと聞き取れるようにして欲しいところ。おかげで冒頭の主人公の大暴れの意味が分かってきたのは中盤以降。皆の言動から総合的に判断してそういうことだったのか、と分かってきた。本当は村上淳のセリフで直ぐに分かっていないと駄目なのだが、映画の趣旨とは違う余計なミステリ要素になってしまっていた。

 

 

 映画は資産家の息子とストリッパーの愛が描かれる。男は博打で借金を抱え、仕事もいい加減、どこかで親の金をあてにしている。そんな男に惹かれ、ついていく女。なのだが、正直そんな男のどこがいいの?という疑問しかない。駄目な男でも魅力的な部分があるというのは理解できるのだが、映画では全然それが描かれていないので、なんで女がそこまで夢中になっているのか、伝わってこなかった。

 

 そして愛し合う男女に訪れた悲しい結末で、確かにこちらももらい泣きしそうになってしまうシーンもないわけではなかったが、でもこれ全部自業自得だよな、と思うと一気に冷めてしまう。親の反対にあってもそんなの無視すればいいし、博打で借金を抱えたのは紛れもなく自業自得、そして多くの人に迷惑までかけている。運命のいたずらによって引き離されたのなら同情もするが、これは全部自らの手で引き寄せたこと。それで悲しいでしょ?と言われてもリアクションに困る。

 

スタッフ/キャスト

監督 廣木隆一

 

原作 軽蔑 (集英社文庫)

 

出演 高良健吾/鈴木杏/大森南朋/忍成修吾/村上淳/根岸季衣/小林薫/田口トモロヲ/緑魔子/蒼井そら

 

軽蔑

軽蔑

  • 高良健吾
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軽蔑 (中上健次) - Wikipedia

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