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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「風に濡れた女」 2016

風に濡れた女 [DVD]

★★★☆☆

 

あらすじ

 人里離れた掘っ立て小屋で孤独に暮らす男の前に、野性的な一人の女が現れる。

www.youtube.com

 

 ロマンポルノ・リブート・プロジェクトの作品。

 

感想

 冒頭の女の登場シーンはなかなか強烈なインパクトがあったが、その後はそんなワイルドな女に大きなリアクションも見せず、何事にも無関心で、世捨て人のように孤独に暮らそうとする男の姿がメインで描かれていく。どことなく内省的で、文芸作品のような雰囲気が漂う。

 

 こんな感じで物語が進んでいくのかと思っていたら、男が突然、女の演劇の話に食いついてノリノリで応じてから様相が変わってくる。どことなくオフビートのコメディのような空気感もある。女に無関心な男と、男に執着する女。二人の不思議なやり取りが繰り広げられる。

 

 

 最終的に二人は勿論、関係を持つのだが、その流れがまるでプロレスを見ているような展開だった。女がちょっかいを出したり、互いに小競り合いをしたりしつつも、まだ機は熟していないとばかりに簡単には関係を持たない。適宜、別の男女を乱入させたりして徐々に気分を盛り上げて、それが最高潮に達したところでついに直接対決となる。

 

 焦らした分、クライマックスはたっぷりと描かれて、ちょっと長過ぎない?と思うほどだ。二人の因縁が深まっていく間に生まれた他の登場人物たちのサイドストーリーも、ここで同じように結末を迎え、まるで、最後に皆の感情が爆発したような大団円を迎えた。

 

 終わってみれば、結局この話は何だったのだと思わなくもないのだが、でもそんなに嫌な気はしない映画だった。結局最後まで謎の女だった彼女は、もしかしたら虎だったのかもしれないという匂わせもあって、つまりは犬と猫のじゃれ合いだったのか?もしくは「山月記」的なやつなのか?と深読みしたりもしたが、全くの的外れかもしれない。 

山月記 (立東舎 乙女の本棚)

山月記 (立東舎 乙女の本棚)

  • 作者:中島 敦
  • リットーミュージック
Amazon

  

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 塩田明彦

 

出演  間宮夕貴/永岡佑/テイ龍進/鈴木美智子/中谷仁美/加藤貴宏/赤木悠真/谷戸亮太/池村匡紀/前田峻輔/大西輝卓

 

風に濡れた女(R15+) | 映画 | 無料動画GYAO!

 

 

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