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「ディストラクション・ベイビーズ」 2016

ディストラクション・ベイビーズ

★★★★☆

 

あらすじ

 憑りつかれたように繁華街で道行く人に喧嘩を仕掛け、殴りかかる男。

 

感想

 冒頭の音楽が不穏過ぎると感じたのだが、全然それに負けない不穏な内容の映画だった。 何の説明もなく、ただただ暴力にのめり込む男の物語。それを演じる柳楽優弥の存在感が凄い。ほとんどセリフもなく、殴られ倒されてもそれでも立ち上がり相手に向かっていく異様な男を、充分な説得力で演じている。

 

 しかし暴力が目的の男というのはたちが悪い。標的にされたら金も脅しも役に立たず、ただ暴力で立ち向かうしかなくて、倒すか倒されるかするまで終わらない。しかもたとえ倒したとしても、体力が回復すればまた殴りかかってくる。正直、標的にされた水商売の男たちが気の毒だった。仕事前の日課みたいになっているのがちょっと面白い。

 

 

 そして一切、倫理観を感じさせない暴力至上主義の世界が続く。あまりにも圧倒的なのでいつの間にか見ているこちらの感覚が麻痺してきて、そういう世界観になじんでしまいそうになる。そして映画の中のその他の登場人物たちも、主人公に呼応するように暴力的になっていく。

 

 正直、ただひたすら暴力を振るう主人公よりも、彼に乗じて女子供に暴力を振るう菅田将暉演じる男の方に嫌悪感を感じた。自分は大したことないのに力のある人間に取り入ってやりたい放題するこういう人間は、世間でよく見る。特に今はそういう人間が大手を振って歩いている時代かもしれない。主人公にボコボコにしてもらいたい願望が湧いてくるが、そんな中途半端な倫理観が主人公にあるはずもなく、期待には応えてくれない。と同時に自分の中に渦巻く暴力性に気づかされる。

 

 全然共感できないような内容の映画のはずなのに、なぜか引きこまれてしまう不思議な引力のある映画だ。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 真利子哲也


出演 柳楽優弥/菅田将暉/小松菜奈/村上虹郎/北村匠海/池松壮亮/三浦誠己/でんでん/岡山天音


音楽 向井秀徳
 

ディストラクション・ベイビーズ

ディストラクション・ベイビーズ

  • 発売日: 2016/12/07
  • メディア: Prime Video
 

ディストラクション・ベイビーズ - Wikipedia

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