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「リップヴァンウィンクルの花嫁」 2016

リップヴァンウィンクルの花嫁【配信限定版】

★★★★☆

 

あらすじ

 自分の結婚式で参列者を雇ったことをきっかけに、何でも屋と称する男に頼るようになった女。

 

感想

 綾野剛演じる何でも屋の得体の知れなさが不気味。人をだまして利用する人にしては全然悪い顔を見せず、常に人当たりが良い。しかも、やっている仕事の内容も手広くて、何者なんだ?という思いがどんどん強くなる。黒木華演じる主人公を騙しているにしても、身ぐるみはがすでもなく、利用するだけするというわけでもなくて、よく意図が分からない部分がある。いつでも自分の思い通りになる人間を出来るだけ手元にキープしておきたいという感覚なのか。

 

 そんな男にすっかり頼り切って、言われるままに流されていく主人公。正直、観ていて冷や冷やしてしまう。しかしこういう女性は、従順そうに見えて意外とギリギリのところで他人の思うままにさせない強さを持っているタイプだ。そういう状況にいるのに、逆にしなやかさを身につけて成長していっているようにも見える。

 

 

 中盤以降は、好演する黒木華と綾野剛の二人にCoccoが加わる。しかし、この監督は女子同士がイチャイチャするの好きだな、と。しかも、それを男目線ではなく、女目線で見ているように感じる。きっと乙女心が強めの人なのだろう。見ている方も悪い気分にはならないので全然いいのだが。

 

 終盤は雰囲気に騙されてしまうが、冷静に考えると訳の分からない状況が続いて、なんだか不思議な気分になってくるのだが、でもそれも悪くない。女性らしさを失わないで凛として生きる主人公の姿が印象的だ。生徒に声が小さいと馬鹿にされていたのに、大きい声を出せるようになってるじゃないかと、一声かけてやりたい気分になった。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本/編集 岩井俊二

 

原作 リップヴァンウィンクルの花嫁 (文春文庫)


製作総指揮 杉田成道

 

出演 黒木華/綾野剛/Cocco/原日出子/金田明夫/毬谷友子/夏目ナナ/りりィ/軽部真一/堀潤/紀里谷和明/野田洋次郎/野間口徹/森下くるみ/中島ひろ子/希崎ジェシカ

 

リップヴァンウィンクルの花嫁【配信限定版】

リップヴァンウィンクルの花嫁【配信限定版】

  • 発売日: 2016/03/26
  • メディア: Prime Video
 

リップヴァンウィンクルの花嫁 - Wikipedia

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