★★★★☆
あらすじ
香港で武館を開いたイップ・マンは、同業者たちの了解を得るために試験を受ける。
感想
前半のクライマックス、香港にある武館の元締め、サモ・ハン・キンポー演じる男との戦いは見応えがある。丸い円卓の上でのイップ・マンとの対決。しかしなんでそんな狭いところで戦うのかよく分からないが、まぁ細かいことは気にしてはいけない。おかげで息つく間もない戦いが繰り広げられる。
サモ・ハン・キンポーの容姿は明らかに悪役なのだが、心の何処かで、でもサモ・ハンは本当はいいヤツのはず、って思ってしまうのはなぜなのだろう。アイドルだったサモ・ハンを知っているからか。
そして、後半の流れはほぼ前作と同じ。敵が日本人からイギリス人に変わっただけ。仲間がやられ、イップ・マンが立ち上がり、敵と死闘を繰り広げる。だからつまらないかと言えば、全然面白い。このロッキー的フォーマットは見ていて熱くなる。前回は相手が日本人で少し気まずさがあったが、今回は無礼なイギリス人。心置きなくイップ・マンを応援できる。
西洋と東洋の格闘技の違いというわけでもないだろうが、パンチ一発で倒すイギリス人ボクサーと、細かいパンチの連打で倒すイップ・マンの対比が面白い。最初は一発の破壊力がある相手がすごく思えるのだが、次第にしつこい連打を繰り返すイップ・マンの凄みが際立ってくる。ラストの「まだ終わらせねーよ」みたいな、相手が意識を失い床に倒れるまでの間も、ひたすら連打する姿は無慈悲にすら感じてしまった。
しかし、これはもうイップ・マンじゃなくていいんじゃないの?と思うのだが。多分もう史実とは全く関係なくなっているのだろうし。まぁ、イップ・マンだからストーリーに説得力が出る、ということはあるのかもしれない。
スタッフ/キャスト
監督 ウィルソン・イップ
出演 ドニー・イェン/サモ・ハン・キンポー/ホァン・シャオミン/リン・ホン/ルイス・ファン/ケント・チェン/サイモン・ヤム
出演/アクション指導 サモ・ハン・キンポー
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