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「あいあい傘」 2018

あいあい傘

★★★☆☆

 

あらすじ

 ある小さな町の祭りにやってきたテキ屋の若い男は、見知らぬ女性に声をかけられ恋に落ちる。

 

感想

 ロケーションも良く映像もきれいで、こだわりを持って作られている事がよく分かる映画。作品の中に一つの世界観がしっかりと築かれている事が感じられる。だが残念ながらそれが効果的とは思えず、はっきり言って邪魔だった。

 

 まず映画開始から数分間、物語のバックグラウンドがセリフなしで描かれるのだが、ちょっと長すぎてイライラしてしまった。描かれるのがベタ過ぎて、どんどんと興味を失っていくようなエピソードばかり。逆にベタだからセリフなしでも伝わるともいえるのだが、それくらいはあまり時間をかけずにさっとやって欲しかった。序盤は特に色々と演出に気合が入っていて、それが鬱陶しかった。

 

 

 映画をこんな蛇足感のある世界観にしてしまっているのは、きっと原田知世の魔力のせい。彼女が出演する映画やドラマは、こんな雰囲気になっているものが多い。CMですらそうだ。彼女の前では何人たりとも善人にならざるを得なくなってしまうような不思議な力がある。この映画は建前上は倉科カナと市原隼人が主演だが、きっと監督が撮りたかったのは原田知世だろう。別に彼女が悪いというわけではなく、これは使う側の問題で、余程しっかりと自分を持った監督でないと、気付かないうちに原田知世の世界にズルズルと引きずり込まれて、善人だらけで悪人のいない少し浮世離れした映画になってしまう。この彼女の魔力にやられてしまうのは、特定の世代だけなのか、全世代共通なのかは不明だが。

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 一応、この映画もそんな彼女の魔力に抗おうと、高橋メアリージュンらが演じるテキ屋の若いカップル等を登場させ、コミカルな毒気を出そうとしているのだが、そこで繰り広げられるコメディがことごとくスべり散らかしているのが痛い。この全然面白くないコメディも邪魔だった。倉科カナ演じる建前上の主人公も、原田知世を前に怒り散らしてみたりはするのだが、その理由が彼女が善人すぎてムカつくというものなので、すっかり彼女の魔力に飲み込まれてしまっていると言える。

 

 30歳だという主人公が、失踪した父親の複雑な事情を慮れないのは想像力がなさすぎだろうとは思うが、物語自体はそんなに悪くなかった。原田知世ワールドに飲み込まれないで普通に描いてくれていたら普通に観られたと思うのだが、邪魔なものがたくさんあり過ぎて、あまり話に集中できなかった。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 宅間孝行


出演 倉科カナ/市原隼人/入山杏奈/高橋メアリージュン/やべきょうすけ/布川隼汰/永井大/金田明夫/大和田獏/トミーズ雅/立川談春/原田知世

 

あいあい傘

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  • 倉科カナ
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あいあい傘 (劇作品) - Wikipedia

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