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「バタアシ金魚」 1990

バタアシ金魚

★★★★☆

 

あらすじ

 一目惚れした女子と同じ水泳部に入部し、彼女に馴れ馴れしく接するようになる男子高生。

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感想

 一目惚れした女子にグイグイと接近する男子高生が主人公だ。こういううぬぼれの強いタイプには嫌悪感を抱いてしまいがちだが、演じる筒井道隆のキャラクターが良くて、不思議とそうは感じさせないのがまずすごい。

 

 何事にも動じなさそうなぬぼーとした顔、飄々とした態度がハマっていて愛嬌があり、どうにも彼を憎めない。彼が水泳のコーチに偉そうな口をきいたり、好きな女子の母親となぜか仲が良くて下の名前で呼んでいたりするシーンなどはつい笑ってしまった。

 

 

 主人公は一目惚れした女子高生に好かれようと同じ水泳部に入り、彼女に相応しい男になろうと猛特訓する。普通ならここで水泳の魅力に気付いてスポ根ドラマになっていく流れなのだが、この映画ではそうはならないのがいい。あくまでも彼女に好かれるための水泳だ。初志貫徹で目的と手段をはき違えていない。当初の目的を見失って手段が目的化してしまいがちな世の中でこれはエラい。

 

 主人公の行動は今だと「ストーカー」と片付けられてしまうわけだが、古今東西この手の話が多いのは、この手法がそれなりの成果を上げているからだろう。恋愛に限らなければ、今でもビジネスなどでこの手法は活用されている。だからストーカーだからと切り捨ててしまうのはあまりにも安易で、それは時と場所によるだろうと思ってしまうのだが、それを言い訳に時と場所を理解できない人間がストーカー行為をしてしまうので、やっぱり認めてしまうのは難しいのかもしれない。

 

 なにかとうるさい現代に、ストーカー行為だと言われないでこういう物語を作ることは可能なのだろうか。そういえば「猛烈なアタック」なんて言葉は最近めっきり聞かなくなった。

 

 それから主人公のようなアプローチの仕方が相手にプレッシャーを与えてしまうのも事実で、彼女が太ってしまったのもそのせいだろう。しかし主人公が太った彼女を目にして、口ではきれいごとを言いながらも一目散に逃げだしてしまったのには笑ってしまった。反応が分かりやす過ぎて、もはや清々しかった。

 

 風変わりな物語だが、主人公らが制服のままプールに飛び込むシーンなど印象に残るシーンが多く、なんだかんだで惹きつけられて爽やかな印象を残す青春映画だ。高校生なのに普通にビールを飲んだりタバコを吸ったりしているのも牧歌的でいい。

 

 それから若かりし頃の男前の東幹久や、まだ背も低くて声変わりもしていない少年時代の浅野忠信が見られる貴重な映画でもある。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 松岡錠司

 

原作 バタアシ金魚(1) (ヤングマガジンコミックス)


出演 筒井道隆/高岡早紀/白川和子/東幹久/土屋久美子/伊武雅刀/安原麗子/いしかわじゅん/桜金造

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音楽 茂野雅道

 

バタアシ金魚

バタアシ金魚 - Wikipedia

 

 

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