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「ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎音頭」 1988

ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎音頭

★★★★☆

 

あらすじ

 ヒロシ不在の中、下級生らの突き上げによって他校との抗争に巻き込まれてゆくトオル。シリーズ第5作。

 

感想

 今回はヒロシ役を演じていた清水宏次朗が出演していない。トオル役の仲村トオルのみの出演で、いつもの二人のコンビが見られないのかと最初は寂しかったのだが、案外すぐ慣れ、意外と気にならなかった。これはこれで普通に成立してしまっているのだが、それでも時々ヒロシの不在に言及することでちゃんと彼の存在感を出している演出は上手かった。

 

 それから実は菊リン役の役者も変わっていたのだが、見終わるまで全然気づかなかった。これまで演じていた石井博泰のユニークなキャラクターは唯一無二だなと思っていたのに、割と誰でも出来てしまうのかと軽くショックだった。ただ彼のキャラが強烈だったからこそ模倣しやすかったということなのだと思う。

 

 

 いつものコミカルな序盤とは違い、最初からしっかりと本題の抗争が描かれていく構成だ。どこか実録ヤクザものを意識したような演出が見られる。内容も学校間の対立ではなく、下級生との世代間の対立が描かれおり、いつもよりドロドロとした雰囲気だ。それでも序盤は笑えるシーンを多少織り交ぜているので、いつもの楽しいビーバップ感はある。

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 しかし各高校の番長同士が友好を結んで平和になったのに、それはそれで下級生の中に不満を持つ者が出てきてしまうというのは厄介な話だ。平穏な生活に飽き足らず、バイオレンスを求めてしまう人間がいつの時代も一定の割合でいるということなのだろう。平和な時代が長くは続かず、定期的に戦争が起きてしまうのはこのせいなのかもしれない。平和な現代の日本にも、勇ましい戦争の話を好んでしたがる人たちはそれなりにいる。

 

 クライマックスは相変わらずの激しいアクションで盛り上がる。ただタイマンと言いながら主人公に数人が襲い掛かり、全然タイマン勝負になっていなかったのは引っ掛かった。それでも主人公は怯まず戦うのだからすごいが。しつこく戦い続けるうちに次第に凄みが出てきて見応えがあった。

 

 そしてあれだけドロドロとした抗争を繰り広げてきたのに、最後は爽やかに終わるのが青春映画らしくて良かった。実録ヤクザ映画だったらこうはいかないだろう。

 

 それから本題とは関係ないが、刑事役の地井武男が着ていた水玉の黄色いジャケットが気になった。草間彌生のドット柄ぽかったのだがどうなのだろう。どちらにしてもあんなド派手なジャケットを着てしまうなんてさすがバブル時代だ。みんなどうかしてたのだなと感慨深くなる。

 

 

スタッフ/キャスト

監督 那須博之

 

脚本 那須真知子

 

原作 BE-BOP-HIGHSCHOOL(9) (ヤングマガジンコミックス)

 

出演 仲村トオル/小沢仁志/殺陣剛太/宮崎萬純/古川勉/西守正樹/ガッツ石松/大地康雄/梅宮辰夫/土岐光明/立花理佐/地井武男/三谷昇/泉谷しげる/A-JARI

 

ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎音頭 - Wikipedia

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