★★☆☆☆
あらすじ
中学生同士の喧嘩に口を出したことにより、他校と全面戦争になりかけるも全く足並みがそろわないトオルとヒロシ。シリーズ第6作。最終作。
感想
前作で不在だった清水宏次朗演じるヒロシが帰って来て、久々にトオルとのコンビが復活する。だがどうにも二人の息が合わない。序盤は互いにからかい合ってじゃれ合うコミカルなシーンのはずなのに、ただ単純にののしり合っているように見えてしまう。ピリついた雰囲気が漂い、これまでのシリーズとは違って珍しく笑えない。
これはこの後の展開のために二人の仲を悪化させておく必要があったというのもあるのだが、もうちょっと笑えるシーンとシリアスなシーンのメリハリを付けて欲しかった。その後、他校との本格的な抗争に入っていくも二人の足並みはそろわず、どこかギクシャクしたままの展開が続く。
そしてその後のストーリーは、どんどんとグダグダさが増していってしまう。他校との喧嘩だったはずが修学旅行中の学校が介入し、さらにはこれまで因縁のあったキャラクター達も入り混じっての大乱闘へと発展していく。もはや何をやっているのかよく分からない。挙句の果てにはチープなSF風のセットに戦いの舞台が移ってしまうという謎の展開だ。
おそらくは誰かとまともに抗争を始めてしまうと決着を付けなければなるので、それで皆のパワーバランスが崩れてしまうことを恐れたのだろう。最終作なのだからと、皆の顔が立つような大団円を目指していたように見える。確かにこの後も彼らの関係は変わらず、これまで通り愉快な仲間たちでいるのだろうなと思わせて欲しい気持ちはある。それにこれまでの歴代のキャラたちが一斉に揃う様子は、最後ならではの特別感があった。
だがそれでも一本の映画として、カタルシスが得られるようにして欲しかった。最後はお茶を濁して誤魔化されてしまったような印象がある。割と良く出来たシリーズだったのに、最終作がこのグダグダな仕上がりだったのはかなり残念だった。
スタッフ/キャスト
監督 那須博之
脚本 那須真知子
出演 仲村トオル/清水宏次朗/宮崎萬純/古川勉/的場浩司/小沢仁志/殺陣剛太/白島靖代/土岐光明/立花理佐/我王銀次/地井武男/山口由子/網浜直子
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