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「ファンキーハットの快男児」 1961

ファンキーハットの快男児

★★★☆☆

 

あらすじ

 ナンパした女性に付き合っていたら、いつの間にか誘拐事件に巻き込まれてしまった青年。53分。

 

感想

 セリフが聞き取れないくらいの早口で喋るシーンから始まり、そのままテンポよく展開する、勢いのある映画だ。上映時間は53分しかないので、あっという間に終わってしまう印象だ。だらだらしていなくて潔く、好感が持てる。

 

 主演は千葉真一。自分の中では貫禄のあるおじさんというイメージだったので、若い頃はこんな感じだったのかと新鮮だった。快活ではあるが、ヘラヘラしていてちょっと頭が悪そうだ。とはいえ、鍛え上げられた肉体で鉄棒の大車輪を披露したりするので、そんじょそこらの映画スターとは違う「質」を持っていることは感じさせる。

 

 

 この時代の邦画は、発展途上にあった日本の風景を映し出しているので、それを見ているだけでも単純に楽しい。今回は緑あふれる住宅街の様子が興味深かった。今よりも住環境が良さげに見えたが、誘拐事件が起きるような場所なのでそこはきっと高級住宅街で、実は今も変わらずそんな感じなのかもしれない。だが町の喧騒やデパート中の様子などには、どこか一昔前の東南アジア感があった。

 

 父親が探偵事務所を開いている若者が主人公で、本人ではなく父親が探偵の設定なのが珍しい。そのせいなのか主人公は誘拐事件の捜査など一切せず、ただ面白がって暴れるだけなので笑ってしまった。

 

 誘拐事件の背後には、今もあるような官僚と建設会社の談合があったのだが、暴れる主人公に対して、建設会社の人間が火炎瓶で対抗するシーンが面白かった。なんでただの建設会社が火炎瓶を常備しているんだよとツッコみたくなる。この最後の乱闘シーンは、千葉真一が躍動し、安全管理上ヒヤリとするようなシーンもあったりして、なかなか見ごたえがあった。

 

 細かいことは気にしない、割り切った娯楽作品となっていて悪くない。

 

スタッフ/キャスト

監督 深作欣二

 

脚本 田辺虎男/池田雄一

 

出演 千葉真一/中原ひとみ/岡本四郎/加藤嘉/花沢徳衛 

 

音楽 三保敬太郎

 

ファンキーハットの快男児 - Wikipedia

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