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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「HOUSE ハウス」 1977 

HOUSE (ハウス)

★★★★☆

 

あらすじ

 演劇部の女子高生は、夏休みに他の女子部員と共に久しく会っていなかった叔母の家で合宿を行なうことにしたが、そこで奇妙な出来事が次々と起こる。

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感想

 七人の女子高生が、合宿先の家で次々と奇妙な出来事に遭遇する物語だ。まず主人公の「オシャレ」を筆頭に、スウィート、メロディーなどメンバーのニックネームがすごい。最初は会話の中に唐突に出てくる奇妙なワードにいったい何のことなのだ?と戸惑ってしまった。だがそれぞれの個性や特徴を理解しやすくするための演出上の工夫なのだろう。確かにニックネームだけでどんな人物なのかがすぐにわかる。

 

 冒頭から次々とシーンが切り替わり、目まぐるしく進行していく映画だ。落ち着きがないとも言えるが、各シーンにこだわりの感じられる映像演出が施されていて、単純に眺めているだけでも楽しい。しかもそれがシャープでバキバキに尖った映像というよりも、遊び心が溢れた力の抜けた感じの映像なので疲れることもない。

 

 

 あるミュージシャンがこの作品を、ドラッグでハイになりながら見たい映画だと評したらしいが、なかなか的を得ている.。目くるめく映像体験が味わえるトリップ映画だ。

80のバラッド

80のバラッド

  • アーティスト:泉谷しげる
  • (株)ワーナーミュージック・ジャパン
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 内容は、いわゆるJホラー的な、背筋がうすら寒くなるようなものかと想像していたのだが、そんな調子の映像なので常にどこかに可笑しみが感じられ、ホラー・コメディーとでも言うべき雰囲気を醸し出している。老婆の口からのぞいた目玉が動くシーンや、ちぎれた指だけでピアノを弾くシーンなどは、怖くもあって面白くもあり、絶妙のさじ加減だった。

 

 古い屋敷で若い女が次々と犠牲になっていく様子は、古い家制度に囚われていく女たちのメタファーだと言えるだろう。この屋敷にやって来た女たちがまず行ったのが家の掃除だったのは象徴的だった。こうやって女は家に縛り付けられてしまうが、帰りを待つ男は待てど暮らせどいつまで経ってもやって来ない。

 

 そんな女たちを、七人の少女たちが魅力的な個性を振りまきながら演じているのも見どころとなっている。ただ何人かが見せるヌードシーンには忌避感を覚えてしまった。だがこれは性的な意味というよりは、子供らしさや純粋さを表わそうとしているのだろう。少女が大人になっていく過程にある彼女たちの年代に特有の、曖昧で不確かゆえの儚さがある。

 

スタッフ/キャスト

監督/製作/出演*

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脚本/出演* 桂千穂

 

原案/出演* 大林千茱萸

 

出演 池上季実子/大場久美子/松原愛/神保美喜/佐藤美恵子/宮古昌代/田中エリ子/尾崎紀世彦/笹沢左保/小林亜星/石上三登志/鰐淵晴子/南田洋子/広瀬正一/檀ふみ**/ゴダイゴ**

**

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音楽/出演 小林亜星/ミッキー吉野**

 

*ノンクレジット **友情出演

 

HOUSE (ハウス)

HOUSE (ハウス)

  • 池上季実子
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ハウス (映画) - Wikipedia

 

 

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