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「レイクサイド マーダーケース」 2005

レイクサイドマーダーケース

★☆☆☆☆

 

あらすじ

 子供の名門私立高校受験に備える家族ぐるみの合宿に参加した男は、突然愛人に訪問されて戸惑う。118分。

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感想

 子供の受験対策のために指南役を招き、複数の家族で合宿する湖畔の別荘が舞台となる物語だ。子供たちが集中的に勉強するために合宿するのは分かるとして、親まで一緒に共同生活する必要はあるのか?と思ってしまうが、両親の面接対策だったり親同士の交流だったり、私的な集まりなので保護者の責任だったりがあるのだろう。

 

 この共同生活に主人公の愛人がやって来て、殺されてしまったことから物語は動き出す。だが、皆で犯人を庇い、証拠隠滅する流れになるのがどうしても納得できない。

 

 

 他のメンバーがスキャンダルで世間に騒がれたり、子供の受験に支障が出ることを恐れる気持ちは分かる。だが、彼らは一切事件に関与しておらず、たまたま居合わせただけの第三者に過ぎない。たとえ世間に好奇の目で見られたとしても、最終的には災難だったねで終わる話だ。それなのに事後に積極的に関与して、敢えて共犯者になろうとする意味が全然理解できなかった。

 

 主人公もなんとなくその流れに乗ってしまったが、そこはどう考えても警察に通報の一択しかないだろう。それをしないことで、彼らに迷惑をかけるどころか共犯者にしてしまうなんて絶対に避けたいことだ。

 

 せめて彼らにも罪に問われる可能性がある何らかの非があって欲しかった。それなら、どうせもう捕まるのだからやるだけやってやろうとエスカレートしてしまったのも理解できる。だがここで全然納得できる理由がないままに進行してしまったので、その先はそんなわけないだろうとの思いしかなく、ここで関心が無くなってしまった。

 

 その後、どんでん返しが二回くらいある。その一回目で新たになった事件の見立てで、ようやく皆の積極的な関与に説得力は生まれたが、逆に最初からそれくらいの設定でないと駄目だろうとの思いは強まってしまった。

 

 終盤は東野圭吾原作らしいウェットな展開となる。冒頭に感じた歪な受験システムに絡めて役者陣が迫真の演技を見せていたようだが、もはや不信感しかなかったので何も響かなかった。事件の説得力がない時点で終了の映画だ。 

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 青山真治

 

脚本 深沢正樹

 

原作 レイクサイド (文春文庫 ひ 13-5)

 

製作総指揮 亀山千広/宅間秋史/小岩井宏悦/仙頭武則

 

出演

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鶴見辰吾/杉田かおる/黒田福美/豊川悦司

 

レイクサイド マーダーケース - Wikipedia

 

 

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