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「22年目の告白-私が殺人犯です-」 2017

22年目の告白-私が殺人犯です-

★★★☆☆

 

あらすじ

 世間を騒然とさせるも時効が成立してしまった連続殺人事件。月日が流れたある日、その犯人を名乗る男が派手に登場し、被害者たちはやり場のない怒りを覚える。韓国映画「殺人の告白」のリメイク作品。

 

感想

 藤原竜也演じる男が未解決事件の真犯人として名乗り出ることから映画は始まるのだが、その最初の記者会見シーンが派手に演出され過ぎていてとてもダサかった。ダサいぐらいの方が世間に伝わりやすいという意図があったのかもしれないが、作り込んだライティングの中で発言に合わせて映像を流すとか、いくら何でもやり過ぎで世間も白ける気がする。カッコつけすぎで逆にカッコ悪い人を見てしまったような気まずい気持ちになってしまった。

 

 ただその後の展開は面白かった。時効を迎えているので犯人が分かったところで逮捕も出来ず、被害者遺族たちが地団太を踏む様子や、そんな被害者たちを挑発するかのように面会に行く犯人の様子などが丁寧に描かれる。さらには彼を偽物と糾弾し、自分こそが真犯人だと名乗る人物が現れて、この先どうなっていくのかと物語に引き込まれていった。

 

 

 だが、仲村トオル演じるニュースキャスターが物語の中心となって動き始めたあたりから急に冷めてしまった。この人かと思ったら違ったが、その隣の人がそうだった、とかいくら何でも身近で手を打ちすぎで、都合が良すぎる。彼の役割は別のキャラを用意してその人物に担当させて欲しかった。それにこの人がそうだったと気づいた根拠も不確かな曖昧なもので、そんなので確信を持てるのなら彼のニュース番組を見ていたらすぐに気付いたのでは?と思ってしまった。

 

 ニュースキャスターの別荘内で何が起きているかを既に観客に見せているくせに、その後に伊藤英明演じる刑事が中に突入していく様子を妙に緊張感たっぷりに描くという演出も謎だった。観客はその先に何があるのかすでに知っているのでそんな事をされてもドキドキしない。これはなんの時間だ?と思ってしまった。

 

 なんとなくで事件は解決してしまったが、よく分からないことはたくさん残されたままだ。被害者の指輪が犯行現場から遠く離れた場所で見つかっているが、そんな広範囲を警察がしらみつぶしに捜索するかなと不自然な印象を受けるし、犯人の動機も結局分からない。ターゲットとなった被害者たちの人選も意図があったのか無差別だったのかも不明のままで、終盤に進むにしたがってどんどんと尻すぼみしていく物語だった。

 

 ところで映画中盤で、この一連の殺人事件の時効を迎えた時に、警察署内の刑事たちが悔しがるシーンがある。なんだかグッとくる熱いシーンのように描かれていたが、自分には全然そんな風には思えなかった。この事件は被害者の中に警察官がいたから悔しがっているだけではないか、他の事件の時効の時もそんな風に悔しがるのだろうかと考えてしまった。ちょっと意地悪な想像かもしれないが、身内が関わっている時だけ必死になるのだとしたら、逆になんだか腹立たしい話だよなと思ってしまった。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 入江悠

 

原案 殺人の告白(字幕版)


出演

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伊藤英明/夏帆/野村周平/石橋杏奈/竜星涼/早乙女太一/平田満/岩松了/岩城滉一/仲村トオル

 

22年目の告白 -私が殺人犯です- - Wikipedia

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