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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「マシニスト」 2004

マシニスト (字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 不眠症の機械工の前に謎の男が現れ、それ以降奇妙な出来事が起こるようになる。

 

感想

 不眠症の主人公を演じるクリスチャン・ベールのガリガリに痩せこけた姿がなかなかショッキング。そのヤバさだけで映画に惹きつけられてしまうが、極端な体重の増減をくり返しやっているとそのうち死んでしまいそうな気がして怖いので、あまりこういうのを役者魂と持て囃すのはやめたいところ。そういうのはCGや特殊メイクでやってもらって、後は演技力でカバーすればいい。

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 主人公がなぜ不眠症になったのか、そして彼がその不眠症に苦しむ様子が描かれていく映画なのかと思っていたのだが、あまりメインでそのことは描かれず意外だった。本人が眠れなくて苦しむ様子はほぼ無いし、周囲も一応痩せすぎだと指摘することはあるが基本的にはそんなには気にしていない様子。もはやこの状態が普通で、日常の見慣れた光景として扱われている。実はこれが映画の結末につながってくるので敢えて描いていなかったということが後で分かるのだが、それでもやっぱり無視できない気になる所なので、違和感なく観られるように一応の建前上の説明くらいは欲しかった。

 

 

 ある日、謎の男が現れ、それから周辺で奇妙な出来事が起こるようになった主人公は、その男の正体を突き止めようとする。このあたりの一連の出来事は、色々と意味深で興味を掻き立てられた。映像が美しいのも良く、よく分からないなりにもついつい観てしまう魅力がある。途中で主人公が訳あって何とか車に轢かれようとするところなどは、どこかユーモラスで面白くもあった。

 

 そしてついに明らかになる真実。驚くというよりも、なるほどそういう事ねとうなずかされるような感じだった。それが分かるとそれまでの奇妙な出来事にも説明がつく。ただそれだったら、それらはもうちょっとリアリティのある描き方をした方が良かったのでは?という気がしないでもない。なんでもアリだったわけだから。それらは幻想感が強く描かれてしまっていたので、ああこれは主人公がちょっとおかしいのだなという事には既に気づいてしまっていた。だから真実が明らかになっても驚くのではなく、納得したわけで。元々これを狙っていたのかもしれないが、それよりも、そうだったのか!と驚きたかったなと言うのはある。

 

スタッフ/キャスト

監督 ブラッド・アンダーソン

 

出演 クリスチャン・ベール/ジェニファー・ジェイソン・リー/アイタナ・サンチェス=ギヨン/ジョン・シャリアン/マイケル・アイアンサイド/ラリー・ギリアード・Jr/レグ・E・キャシー

 

撮影 シャビ・ヒメネス

 

マシニスト (字幕版)

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  • クリスチャン・ベール
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登場する作品

白痴1 (光文社古典新訳文庫)

 

 

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