★★☆☆☆
あらすじ
大学生の男は、高校時代の同級生で今はやくざの男と共に自動車教習所に通い始める。
感想
主人公たちが通うのは、小学校跡地に作られた非公認の家族経営の自動車教習所。校庭が練習コースで、学科は校舎で教えている。非公認なだけに自由な雰囲気で楽しそうではある。この教習所のように、教官の言われたとおりに運転するだけではなく、自分のやりたい事を中心に練習したほうが早く上達しそうだ。
そんな教習所に、高校時代に一度言葉を交わしただけの、今はやくざの同級生と通うことになった主人公。のんきで奔放な主人公と、そんな主人公を羨ましく思うやくざの少し奇妙な関係が中心に描かれていく。
映画は、どこかズレたオフビートな笑いが起きそうな、面白くなりそうな雰囲気で満ちている。ただそれが常に雰囲気だけで、いっこうに笑いにつながっていかないのが残念なところ。盛り上がりのない、ただの低調な映画となってしまっていて、フラストレーションがたまる。
主人公に感化されて、やくざを辞めたいと言い出した元同級生の夢想が、自分のいる組を破壊するということだったのが理解に苦しむ。親がなく早く施設を出たいと思っていた元同級生を拾ってくれた組には感謝こそすれ、恨む筋合いはないはず。恩返しとして敵対する組織を襲撃するというならわかるのだが。
若い頃は境遇の違いなんて気にせずに仲良くできていたのに、年を重ねるにつれて全く別の世界の人間とみなすようになり、交わる事すらしようとしなくなってしまう。あとから考えると、なんであんな奴と仲が良かったのだろうと不思議な気持ちになったりして。
スタッフ/キャスト
監督 豊島圭介
出演 野村周平/賀来賢人/麻生久美子/岸井ゆきの/根岸希衣/ダンカン/光石研