★★★☆☆
あらすじ
アルゼンチンの医大生は、年上の友人と1台のバイクで南米縦断の旅に出る。
革命家チェ・ゲバラの若き日の旅行記をもとにした作品。ガエル・ガルシア・ベルナル主演。127分。
感想
若き日の革命家チェ・ゲバラが、友人とともにバイクで南米大陸を縦断した旅の様子を描く。それぞれがバイクに乗るのではなく、 1台のバイクを2人乗りで交代しながら運転するスタイルで、いろいろと大変そうな旅だ。
序盤は、金欠や色恋沙汰など若者らしいエピソードが展開される。お調子者でいい加減な、主人公の相棒のキャラが可笑しい。また、そんな彼に流されない主人公の生真面目さも対照的に浮かび上がる。
中盤になるとただ楽しいだけでなく、各地の庶民が搾取され、虐げられている現実を目の当たりにすることが多くなり、主人公らの顔も引き締まってくる。じっと何かを考え込むような主人公の表情が心に焼き付く。
また、医学を学ぶ彼らが、出発前から高名な医師との面会や医療現場への訪問を計画していたのは、旅を有意義なものにしようとする志の高さが見える。楽しむことも学ぶことも両方大事だ。
ペルーでハンセン病患者の診療所を訪れるのがクライマックスだ。主人公だけでなくお調子者の相棒までもが、患者たちと分け隔てなく付き合おうとする誠実な態度を見せており、胸を打たれる。彼らの揺らぐ事のない信念が表れている。
チェ・ゲバラがこの旅で何を感じ、何を考えたのか。それが説教臭くも暑苦しくもなく、静かにしみじみと伝わってくる。ただ、それは彼がのちに高名な革命家になると知っているから、というのはあるかもしれない。
ロードムービーとしては、多くのエピソードが中途半端なまま終わってしまい、とりとめのないものになっている印象だ。常に移動し、腰を落ち着けることのない旅人だと、そうなってしまいがちな部分はあるかもしれない。またどんな旅のトラブルも、大体なんとかなってしまうのも真実だろう。だが、その部分をもう少ししっかりと描いて、もっと旅の醍醐味を感じさせてほしかった。
二人は何度もバイクで転ぶ。 一度だけでも嫌になりそうなのに、へこたれずに何度も立ち上がる彼らはたくましい。そして途中でバイクがダメになり、もはやタイトル通りの旅ではなくなるが、徒歩や船、そして最後はプレゼントされたイカダで旅を続ける。イカダをプレゼントされるのもすごいし、それを普通に移動手段として使うのもすごい。南米は色々とすごいなと感嘆する。
また、南米はほぼスペイン語が通じるので、言葉の壁が無いのもすごい。国なんて意味がない、世界はひとつだ、と主人公が実感するのも分かるような気がした。
スタッフ/キャスト
監督 ウォルター・サレス
脚本 ホセ・リベーラ
製作総指揮
ポール・ウェブスター/レベッカ・イェルダム/ミア・マエストロ
出演 ガエル・ガルシア・ベルナル/ロドリゴ・デ・ラ・セルナ /ミア・マエストロ
音楽 グスターボ・サンタオラヤ
登場する人物
エルネスト・ゲバラ・デ・ラ・セルナ(チェ・ゲバラ)/アルベルト・グラナード


