★★☆☆☆
あらすじ
連続爆破事件の犯人として、潜伏先と思われる場所にいた男が逮捕される。
生田斗真、松雪泰子、二階堂ふみら出演。小説原作。125分。
感想
連続爆破事件の犯人と思われる男が主人公だ。痛みも感じず、感情も持たない謎の男で、松雪泰子演じる精神科医が中心となって彼を調べ始める。
やがて彼の過去と正体は明らかになる。息子夫婦を殺したひき逃げ犯を恨む祖父に、殺し屋として育てられたということらしい。女医はそれを知って泣いていたが、正直なところあまり共感できなかった。確かに倫理的には駄目なことだが、元々感情がないのだから本人的には何の心理的負担もないはずだ。無理やり感情を押し殺すように育てられたわけではない。
それでも主人公の物語や女医のサイドストーリーは興味深く、集中して見ていられたのだが、終盤の真犯人と主人公の対決が始まってからは途端につまらなくなってしまった。真犯人はステレオタイプのサイコパスというだけの雑な設定で、何が目的なのかも分からないし、女医の中途半端なヒューマニズムは鬱陶しいし、警察のグダグダぶりにもイライラする。
そしてなによりも、主人公に対して何の感情もわかないのが辛い。もうちょっと主人公の人間味を見せて欲しかった。
おかげでクライマックスは、サイコパスな真犯人役の二階堂ふみをはじめとする役者陣が楽しそうに演技しているのを、冷ややかな目で眺めるだけになってしまった。それから主人公がフルスピードの車に轢かれまくっていたが、彼は痛みを感じないというだけで、死ぬときは普通に死ぬのでは?と思ってしまった。感情を持たない彼だって人間なのだ!と言いたいくせに、非人間的な描き方をしている。
それから爆発に巻き込まれて二階から地上に落下した刑事がヘラヘラと笑っていたり、あっさりと侵入や盗聴を許したり、また主人公が異常に強かったりと、時々漫画的な描写になって映画のリアリティのレベルがグラグラするのが気になった。どれくらいの心づもりで見ればいいのか分からなくなる。
中盤で主人公に感情移入させ、クライマックスの対決で盛り上げたかったのだろうが、その目論見は失敗している。おかげで何をやりたかったのか見えなくなっているが、本当は主人公をダークヒーローとして描きたかったということなのだろうか。
スタッフ/キャスト
監督 瀧本智行
脚本 真辺克彦/成島出
製作 藤本鈴子/由里敬三/藤島ジュリー景子/市川南/藤門浩之/伊藤和明/入江祥雄/松田陽三/宮本直人
出演
生田斗真
二階堂ふみ/太田莉菜/大和田健介/染谷将太/光石研/甲本雅裕/小澤征悦/石橋蓮司/夏八木勲/江口洋介/小澤征悦/山崎ハコ
