★★☆☆☆
あらすじ
組長を逮捕するために暴力団に潜入した捜査官は、チャイニーズマフィアとの抗争に巻き込まれていく。
シリーズ第2作目。
感想
映画冒頭は全裸の主人公のシーンが延々と続く。股間が見えそうで見えないくだりをずっとやっていたのだが、これ需要あるの?と呆れてしまった。ただ、似たようなことを前作でもやっていたのであるんでしょうね。一部の人には、あの人がこんな事を⁉みたいな興奮もあるのかもしれない。この映画は基本的にはそんな人たちを対象に、その前提で作られているような印象がある。
全体に小学生が喜びそうな低俗な笑いが散りばめられている物語だ。エロ要素多めのエログロナンセンス映画と言ったところだろうか。別に低俗でも全然かまわないのだが、くだらなさ過ぎて笑えてくるぐらいまでやって欲しかった。正直ほとんど笑えるシーンはなく、ただ低俗なだけだった。
ストーリー自体は大したことがないので、ギャグで笑わせるのがメインだったのだろう。だがそれが失敗してしまっているので、すべてのシーンが冗長に見えてしまう。どのシーンも面白くないくせに、妙に無駄に力が入っているのでしんどかった。特にクライマックスの戦いは、目を見張るようなことが何ひとつないのにやたらと長い。割と辛抱強く映画を見る方だが、さすがにもう見るのをやめようかとギブアップしそうになった。
それから前半は、チャイニーズマフィアを裏で操る謎の男の存在が仄めかされ、その正体は後半のかなり早い段階で明らかにされる。それにもかかわらず、だいぶ後の段階になってから主人公がようやく気付き、「影の首謀者はあいつだ!」と叫ぶシーンがあって、このシーンは何のためにあったのか、その意図がよく分からなかった。今気づいたの?的なギャグだったのだろうか。観客は勿論、他の登場人物たちもすでに知っている状態だったので誰も驚くわけはなく、ひとり興奮している主人公が馬鹿みたいだった。
ラストは、主人公が鼻白むような暑苦しい理想を叫んで敵を倒す。暑苦しさも度を越せばカッコよく見えてくることもあるはずだが、そうはならずにただ暑苦しいだけだった。散々笑わせておいて最後はカッコよく締めるのが理想だったのだろう。だが、そのどちらも失敗してしまっているので主人公を好きになれる要素が全然ない。ただの大げさでウザい奴だ。他の登場人物たちは、女性陣を除けばそれなりに良かった。
締まりのない映画だったが、小学生と小学生の心を持った大人であれば楽しめるような気がする。中学生以上になるとちょっと厳しいかもしれない。
スタッフ/キャスト
監督 三池崇史
脚本 宮藤官九郎
出演 生田斗真
仲里依紗/瑛太/本田翼/古田新太/上地雄輔/菜々緒/遠藤憲一/吹越満/皆川猿時/岩城滉一
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