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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「サニー/32」 2018

サニー/32

★☆☆☆☆

 

あらすじ

 小学生の時に同級生を殺害し、ネットで人気者となった女として、熱狂的なファンに拉致された女教師。

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 2004年に起きた「佐世保小6女児同級生殺害事件」に着想を得た作品。

佐世保小6女児同級生殺害事件 - Wikipedia

 

感想

 主人公を拉致する二人組を演じるのは、ピエール瀧とリリー・フランキーのコンビ。映画「凶悪」の再来を期待してしまったが、どうにも締まらない展開になっていく。拉致監禁するまでは良かったのに、そこからネット関連のトピックが物語の中心になってからは、一気につまらなくなってしまった。

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 そもそもネット上での振る舞いをネット以外の場所で目にするとキツく感じてしまうというのもあるが、ネット・ミームを取り扱った映画やドラマはなぜか必ず嘘くさくなってしまうので、まずそれが辛い。

 

 あのネット上の異様なノリを、わずか数人のまともな大人だけの想像力で再現しようとするからリアリティが出ないのかもしれない。やはりあれは、数千・数万単位の不特定多数の人間が集い、そのダークな部分のみが純粋に抽出されるからこそ出てくるものなのだろう。

 

 

 登場人物たちはそんなネットの世界から現実世界に飛び出してきちゃった人たちなのだから、本来はとびっきりのヤバい人たちのはずだ。なのに全然ヤバさが足りない。一見普通だがよく見るとヤバい、ということもない。おそらく見どころのひとつだったのだろうが、そんな普通な面々を主人公が公開説教するシーンは、全然面白くなくて一体何を見せられているのだ?と鼻白んでしまった。

 

 ネットを通じて起きる様々な現象を取り上げているがどれも表層的で、しかもうまく一つのストーリーに落とし込めていない。ネットに拉致の様子が上がったのに警察の動きが一切ないのは変だし、結局主人公が何者だったのかも分からないしで、不可解なことも多かった。

 

 そして、登場人物の誰にも共感できないどころか関心すら持てなかった事や、変にコメディの雰囲気を出そうとする事も辛かった。期待していただけにがっかり感がすごく、こんな映画を撮っちゃって監督どうした?と心配になってしまうレベルだった。

 

スタッフ/キャスト

監督 白石和彌

 

脚本 髙橋泉

 

出演 北原里英/ピエール瀧/リリー・フランキー/門脇麦/音尾琢真/駿河太郎/沖田修一

 

音楽 牛尾憲輔

 

サニー/32

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