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「シン・ウルトラマン」 2022

シン・ウルトラマン

★★★☆☆

 

あらすじ

 日本各地に現れるようになった怪獣(禍威獣)の対応に苦慮していた政府特別チームの前に、謎の巨人・ウルトラマンが現れる。

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感想

 映画の前提となる世界観を駆け足で説明する冒頭のシーンにいきなり戸惑わされる。手っ取り早く本題に入りたかったのか、なんとなく皆も知っているだろうから雰囲気でいいだろうと判断したのか、ずいぶんと不親切だ。ここで置いてきぼりを食らう人も出てくるかもしれない。ただ、脈絡なく怪獣が出てくるところや釈然としない部分を残したまま進行するところなどは「エヴァンゲリオン」ぽかった。

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 序盤はストーリーよりもまず、普段あまり見ないような早見あかりや長澤まさみの顔が気になって仕方がなかった。この監督は女性を綺麗に撮る気がないのか、それとも撮れないのか、どっちなのだ?と色々考えてしまった。見終わった後に少し調べたら、iPhoneを何台も使って撮影し、そこから良さそうな映像をピックして使う手法をとったりしていたそうなので、このパートに特に構図などのこだわりはなかったということなのかもしれない。

 

 その代わり、ウルトラマンがメインとなる場合の映像には強いこだわりが感じられる。音楽や構図も含めてちゃんと「ウルトラマン」らしさを感じてワクワクするものがあった。これが撮りたかった、という想いはひしひしと伝わってくるのだが、それ以外のシーンも頑張って欲しかった。

 

 ストーリーは、(実際にこのテレビシリーズがあったわけではないが)テレビ放送した中から特に好評だった3つの放送回を中心にまとめてみました、みたいな内容となっている。総集編ぽいというか、駆け足感があるというか。社会性のあるメッセージも感じられるが統一感に欠けており、まるで雑談の一部のような散発的なものだった。コミカルなシーンも滑り気味で、巨大化した長澤まさみが面白かったくらいだ。

 

 

 ウルトラマンに対する愛は伝わってくるので悪い気はしないが、もうちょっと何か欲しいと思ってしまうような物足りない内容だった。ただ、自分が「ウルトラマン」に強い思い入れがあるわけでなく、なんとなくの知識しか持ち合わせていないのが問題で、大好きな人が見たらもっと評価は高くなるのかもしれない。いくつか挙げた不満点も、もしかしたら実は過去作へのオマージュだった可能性もある。

 

スタッフ/キャスト

監督 樋口真嗣

 

脚本/編集 庵野秀明

 

出演 斎藤工/長澤まさみ/有岡大貴/早見あかり/田中哲司/山本耕史/岩松了/長塚圭史/嶋田久作/益岡徹/山崎一/和田聰宏/西島秀俊/山崎一/利重剛/竹野内豊/白石和彌/(声) 高橋一生/(声)山寺宏一

 

音楽 宮内國郎/鷺巣詩郎

 

シン・ウルトラマン - Wikipedia

 

 

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