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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「とんかつDJアゲ太郎」 2020

とんかつDJアゲ太郎

★★☆☆☆

 

あらすじ

 渋谷にある老舗とんかつ屋の跡取り息子は、弁当を配達したクラブで恋心を抱いていた女性を発見したことから、DJを目指すようになる。

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感想

 とんかつ屋で働く若い男が人気DJを目指す物語だ。DJなるものに出会って熱中し、デビューを果たすも挫折してどん底を味わうが、やがて復活して大団円、という定番の流れはちゃんと押さえている。だがどうにも事務的というか流れ作業的でメリハリがない。

 

 とりあえず、ターニングポイントとなるはずのシーンをちゃんと描かないのが解せなかった。DJプレイを初めて見た時の衝撃や初めて自分でプレイするワクワク、DJデビューの際のドキドキなど感情が動く場面は色々あるはずなのに、なんの引っ掛かりもなくそのまま流れていく。これでは全く感情移入できない。

 

 

 それから音楽やダンスが溢れる映画だが、あまり音楽と映像がちゃんとかみ合っていないように感じる。これは好みの問題だが、使われている楽曲もいまいちだった。主人公がDJ技術を身に付けていく過程をきっちり描けば、DJのバイブル的映画にもなりそうなのにそれもない。作り手の思い入れが全然感じられず、アドバイザーに言われるままに、理解する気もなく雰囲気だけで撮っていたのだろうなと想像してしまった。

 

 全編に楽しそうな空気は漂っているが決して面白いことはなく、登場人物たちの描写も浅い。中でも主人公の友人たちが応援するのではなく、彼にタダ乗りにしているだけなのは気になった。クライマックスに一緒にステージに上がっている意味がよく分からなかったし、しかもダサかった。ラストのコンテスト後の結果発表の場に主人公が不在だった理由が曖昧なままだったのもイラっとした。

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 こんな映画が作りたいんです、とプレゼンで見せるような大雑把なストーリーの流れしかなく、これをたたき台にもっと細部を詰めていくべきだった。主演の北村匠海がメジャーリーガーの大谷翔平に似た良いキャラだっただけにもったいない。

 

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 二宮健

 

原作 とんかつDJアゲ太郎 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

出演 北村匠海/山本舞香/伊藤健太郎/加藤諒/栗原類/前原滉/浅香航大/池間夏海/片岡礼子/ブラザー・トム/伊勢谷友介

 

音楽 origami PRODUCTIONS/黒光雄輝 a.k.a. PINK PONG

 

とんかつDJアゲ太郎 - Wikipedia

 

 

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