「007 スペクター」　2015

★★★☆☆

あらすじ

　死んだ元上司が残した指令に基づき、調査を進めるジェームズ・ボンド。

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　シリーズ24作目。

感想

　このシリーズは一話完結なのでどれから見ても大丈夫、と思っていたが、意外と前作からのつながりが結構あるようで少し凹んだ。少なくともジェームズ・ボンドをダニエル・クレイグが演じるようになってからの作品は順番に見た方がいいようだ。

　死んだ上司が残したメッセージに従って行動するジェームズ・ボンド。この辺りは本人が何が待ち受けているのか良く分からないまま動いているので、どこか受け身の印象だ。しかし勝手に超高級車を持ち出して、しかもあっさり廃車にしてしまう主人公の無邪気さが面白かった。こんなやり方をしていたら、予算の無駄遣いとそりゃ目を付けられるわ、と納得してしまいそうだ。

　007シリーズではよく出てくる印象のある敵のアジト。雪山の山頂だったり砂漠の真ん中だったりにポツンとある秘密基地感がワクワクして好きだ。今回の雪山にあったのは基地ではなく病院だったが。いかにも人知れず悪いこと企んでいます感がある。ただそのアジト内での攻防があっさりとしていたのは残念だった。

　今回は最初からそうなのだが、ずっと敵の動きに対してリアクションしているだけで、ジェームズ・ボンドが今度はこちらのターンだ、と自ら仕掛けていくシーンはほとんどなかったような気がする。逆境に強いのは良く分かるが、彼の有能さはいまいち伝わらず盛り上がりに欠けた。

　前作を見ていないので、これは前作からのつながりのある話なのか今作からの話なのかと、いちいち気になって疑心暗鬼になってしまったというのもあるかもしれない。