★★★☆☆
内容
タイトルにあるような人に向けた本。
感想
序盤は、働きたくない人たちの心情をズバズバと言い当てて理解を示す。それは自分の心を代弁するようで、しかも論理的なものだから強い味方を得たような気分になる。本当に働かなくていいんだと安心してしまいそうで逆にヤバいなと危機感を覚えてしまった。
こういう本というのは、読者は今はうまくいってないけど本当は何かしらの才能を持っていて、うまくそれを引き出せば何かを成し遂げられる人、という前提になっているものがほとんどだと思うが、この本の中では残酷なまでにその前提を打ち消す。確かに誰でも本当の自分はもっと出来る人間だ、成功できる人間だと淡い期待を抱きたくなるものだが、実際はほとんどの人が社会的にはひとかどの人物になれずに人生を終える。どんなに全力を尽くしても才能がなくて成功できないかもしれないのに、それでもなぜ働くのか、を著者は徐々に語っていく。
仕事を探し始める前まではその存在を知らなかった会社にすら、志望動機やら働く意欲を提示しなくてはいけないとなると、単純に生活費が欲しいから仕方ないけど働くしかない人にとってはなかなかその入り口を突破することができない。だがこの本を読むことで、それでもなんとかその関門を突破し、そこで待ち受けるろくでもない現実に踏みとどまって働き続ける心構えを持つことはできるのではないかと思えた。雇う側にとっては良いことではないのかもしれないが。
著者
中島義道