★★★☆☆
感想
生産性向上に情熱を傾ける生産性オタクが、一年間あらゆる手法を試した結果わかったことをまとめた本だが、どちらかというと体験談を読みたかった。書かれていないわけではないが、自説を述べることに重きが置かれている。
この本ではその結果を踏まえて、こうすると良いということを25個紹介している。だが、あまり根拠が述べられておらず信頼できない。きっと論文や本で良いと聞いて試した結果なのだろうから、それをちゃんと紹介してほしかった。そこをちゃんとしてないと、オタクといえども、専門家ではない立場が曖昧な人の意見を聞かされてもなぁと思ってしまった。
原書にあったのかはわからないが、時折挟まれる面白くない4コマ漫画は何のためにあるのだろうか。それを読んでる時間が非生産的に思えて仕方がなかった。これが章のはじめなのか、それとも章末なのかも分かりづらかった。
もうひとつ驚いたのは、長時間働いたときのほうが二倍も生産的だと感じたことだった。集中力と活力を有効に注いでいないにもかかわらず、ぼくは生産的だと感じていた。
p108
体験談の中で面白かったのは、実際に生産的だったかには関係なく、長時間働くと満足度が高いということ。これがあるから長時間労働の問題は難しい。意外と長時間働かされている人は、仕事してる感に気持ちよくなってしまっていて、止めろと言ってもなかなか止めなかったりする。
しかも長時間労働イコール仕事ができると勘違いしてしまっているから、妙に自信に満ち溢れていたりもする。ひどい会社ではそういう人が出世して、長時間労働は常態化していく。今の仕事は簡単に生産性を測れないというのもあると思うが、労働時間で人を評価してしまっている。
それから、注意力散漫のぼんやりした頭で歩いている睡眠不足の人たちをゾンビに例えていたのも面白かった。姿形は全く一緒なのに、頭がうまく働いておらず、思うように意思疎通が図れない人々。だから世界はゾンビブームに湧いているのかもしれない。自分も睡眠不足のゾンビに既になっているのかもしれないという不安と共に。
著者
クリス・ベイリー
世界一の生産性バカが1年間、命がけで試してわかった25のこと (T's BUSINESS DESIGN)
- 作者: クリス・ベイリー,Chris Bailey,服部京子
- 出版社/メーカー: TAC出版
- 発売日: 2017/09/13
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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登場する作品
ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則
Getting Results the Agile Way: A Personal Results System for Work and Life (English Edition)
I Know How She Does It: How Successful Women Make the Most of Their Time (English Edition)
168 Hours: You Have More Time Than You Think
Solving the Procrastination Puzzle: A Concise Guide to Strategies for Change (English Edition)
Rapt: Attention and the Focused Life (English Edition)
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