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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「はじめてのGTD ストレスフリーの整理術」 2009

はじめてのGTD ストレスフリーの整理術

★★★★☆

 

内容

 今ではライフハックの代表的なものの一つとなっているGTD(Getting Things Done)。それを提唱した本。旧邦題「仕事を成し遂げる技術―ストレスなく生産性を発揮する方法」。

 

感想

 やらなければいけないことをあれこれ頭の中に浮かべながら仕事をしていては生産性は上がらない。「まるでアプリをたくさん開いたPCのようだ」という例えはなるほどと思った。余分なアプリがPCのメモリを圧迫し、パフォーマンスを落とす。PC同様、人間も頭の中を占める余分な考えを取っ払って、目の前の仕事に集中する必要がある。

 

 だがその他のやらなければいけいないことを忘れてしまっては困る。ならば、その他のやらなければいけないことは外部に記憶しておけば安心だ。それがいわゆるTo Doリストだが、本書ではこのTo Doリストを効率よくこなしていくための方法が書いてある。

 

 

 To Doリストを作っても、結局リストの項目がどんどん増えていくだけで、しまいには嫌気がさして止めてしまうことも多い。しかし、紹介されているフローに従えばうまくできそうな気がしてくる。今やるべき事と、いつかやりたい事に分類したり、やるべき事を電話、PC等、状況別に分類しておくというのは、なかなか良さそうである。そうすれば、状況や使える時間を考慮しながらやるべきことをこなしていける。

 

 何よりも重要に思えるのは、常にタスクの「次にとるべき行動」を意識する、と説いていることだ。意外とTo Doリストに書かれている項目は何から手を付けていいのかわからない曖昧なものが多い。だがそれを「会議を開催する」ではなく「会議のメンバーを決める」のように、次の行動を意識してリストを作ることで、最初の一歩を踏み出しやすくなる。そうでなければ、「日時はいつにしようか」「出席者に通知しなければ」「場所を確保しないと」というような、まだ行う必要のないタスクが頭を占有して、動けなくなってしまうかもしれない。

 

 読んだだけで仕事が捗りそうな気がして来るのだが、少し難しい大きな視点が持ち出されたり、分かりづらい「プロジェクト」という概念が出てきたり、部分部分は詳しいのだが全体の流れはあまり説明されていなかったり、少しつまづきそうになる部分もあった。ただ、実際に手を動かすことで理解できるようになりそうではある。特に大きな視点については、タスクに追われる日々がGTDにより解消することで見えてくる世界なのだろうと感じさせられた。

 

 原書は2002年の出版で、思ったよりは最近だが、それでも近頃のデジタルツールから考えると、古臭く感じる部分もある。最新の機器を使ったGTDはどんな感じなのか、知りたくもある。アプリも決定版というのはないようで、とりあえず自由が効くGoogle Keepで始めてみたが、GTDには向いてなさそうだったので、今はOneNoteに切り替えてやってみている。ただ、メモアプリでやるならEvernoteのシステムが一番向いているような気がする。こういうしっくり来る方法を見つけるまでが面倒くさいのだが、何とか続けていい方法を見つけたいと考えている。

 

著者

デビッド・アレン

 

はじめてのGTD ストレスフリーの整理術

はじめてのGTD ストレスフリーの整理術

 

 

 

登場する作品

Mind Over Water: Lessons on Life from the Art of Rowing (English Edition)

 

 

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