★★★☆☆
あらすじ
老作家と彼が擬人化した金魚。
感想
老作家が飼っている金魚を擬人化して戯れる幻想的な映画。金魚を見て老人がいろんな妄想を掻き立てているなんてまさか思わない。この作家が特殊なのか、普通だけど誰も言わないだけなのか。
金魚役の二階堂ふみの奔放な演技がいい。金魚と見紛うことはないが、年寄りが妄想しそうなお転婆な少女になっている。彼女のセリフの品のある言葉遣いも趣がある。こういう言葉、どうして絶滅してしまったのだろう。わずか70年ほど前の言葉遣いなのに。
幻想的な映画なだけに、途中でダレる部分はあったが、この手の映画としては悪くない。作家が自ら生み出した少女なのに、思い通りにならずに苦悩するというのはちょっと面白い。若い娘に振り回されたいという願望なのだろう。全体的に死を意識したり、人生を振り返り総決算するような流れになりがちなのも、老年の傾向なのかもしれない。
スタッフ/キャスト
監督/編集 石井岳龍
原作
出演 二階堂ふみ/大杉漣/真木よう子/永瀬正敏/韓英恵/上田耕一/高良健吾