★★★☆☆
内容
イグ・ノーベル賞受賞の心理学者による酒、セックス、悪態、恋、無謀な運転など、 ともすれば世間に白い目で見られがちな悪癖についての、科学的な立場からの見解の紹介。
感想
世間には悪癖とされている事があるが、それらは本当に悪いことなのだろうか?本当は何らかの利点があるのではないだろうか?という観点から、過去の実験データをもとに考察されていく。ただ残念ながら期待していたほどびっくりするような内容はなく、想定の範囲内のことしか書かれていない。
そんな中で興味深かったのは、腹上死は不倫の時に起こりやすいというデータ。不倫のカップルは金持ちの中年男と若い女という組み合わせが多く、相手に合わせて頑張ってしまうから、ということらしい。言われてみれば納得である。
それと、ジェットコースターは喘息の症状を和らげる効果があるということ。喘息の症状は意外と心理面の影響が大きいようで、不安感が強い患者は肺機能に問題が起きていなくても、呼吸困難を感じることがあるそうだ。ジェットコースターに乗ることで、身体に良いストレスを加え、不安感を消すことで心理面の影響による症状が緩和するという仕組み。「病は気から」とはいうが、まさにその通り。もしかしたらその他の病気にも適用できるのかもしれない。
驚くような内容はなかったと言ったが、良く考えてみれば当然で、きっと驚くような内容があったらニュースになっているはずではある。驚くような内容はない、ということを確かめることも、科学の役割といえるのかもしれない。世界の何処かで今この瞬間も、悪態やセックスなどについて、真面目な顔で考えている科学者達がいるかと想像すると、ちょっと楽しい気分になる。
著者 リチャード・スティーヴンズ
登場する作品
ベスト・パートナーになるために―男と女が知っておくべき「分かち愛」のルール 男は火星から、女は金星からやってきた (知的生きかた文庫)
The Globalization of Addiction: A Study in Poverty of the Spirit (English Edition)
Blue Streak:: Swearing, Free Speech, and Sexual Harrassment
「ロイドの神出鬼没」
Thunder Road [DVD] by Robert Mitchum
The Psychology of Driving (English Edition)
Love and Limerence: The Experience of Being in Love (English Edition)
Memoirs of Sir Isaac Newton's life (English Edition)