★★☆☆☆
あらすじ
凶悪犯を超法規的措置で退治するために集められた七人の元凶悪犯たち。
感想
とりあえず7人がカッコつけすぎていてダサい。あの赤いマフラーに革ジャンの衣装も漫画なら違和感なくカッコいいのかもしれないが、実写だとかなりきつい。日常生活でコスプレをしている人を見ているかのよう。もう少しリアリティのある方向に寄せた衣装にするとか、そのダサさを登場人物たちに自ら言及させるなりして中和しないと。
そして薄っぺらな登場人物たち。メインが七人と多いので、2,3人のキャラが薄くなるのは仕方ないと思うが、この映画は主役含めて全員薄い。となると当然、彼らの関係者や敵役、その他の人物たちも薄くなる。そんな人物たちのあらかじめ決められていたかのようなやり取り見せられても、何も感じない。それにつけられた大げさな音楽も白々しい。
前半は彼らの活躍ぶりをアクション多めに描いていたが、アクションではなく人間関係を丁寧に描くべきだった。とはいえ、登場人物が多いこの物語を2時間の映画にするのはもともと難易度が高い。大昔にやったことがあるようだが、何話かあるドラマ化の方が良かったと思う。
ストーリーにも不可思議なところが多い。凶悪犯を確保するために何人もの犠牲者を出すくらいなら、殺してしまった方がいい、公然とやってしまうと問題があるから裏の組織にやらせよう、ということでワイルドセブンが存在していると解釈していたが、殺しちゃいけない犯人を捜させたり、情報を不正に入手して株で大儲けしている人物を監視させたりと、それ彼らがやることか?と思うようなことをさせている。
色々あって公安の機関に乗り込むワイルドセブン。そもそも公安は彼らを乗り込ませてはいけないのでは?あらゆる情報を握っていて、さらに事前に来ることが分かっているんだから、対策してその前に止めろよと。その公安のトップの人間が、たった7人に簡単に乗り込まれて大暴れされても、予定通り、みたいな顔をして不敵に笑っていられる意味が分からない。関係ないけど日本大丈夫か?と思ってしまった。自分の部下なら速攻クビにしている。
そしてこの映画の最大の被害者は瑛太。本人は主役のつもりでやっていたのに、映画最大の見せ場、クライマックスは他人にかっさらわれてしまっている。そこを取られてしまったらもうこの映画の主人公とは言えない。彼の見せ場は何かあったかな、と振り返って必死に探してみたが、深田恭子と二人乗りでツーリングしたシーンくらいかもしれない。彼は頑張って主役級のいい演技をしていたのに本当に気の毒。
スタッフ/キャスト
監督 羽住英一郎
脚本 深沢正樹
原作 ワイルド7 文庫版 (徳間コミック) [コミックセット]
出演 瑛太/椎名桔平/丸山隆平/阿部力/宇梶剛士/平山祐介/松本実/要潤/本仮屋ユイカ/中原丈雄/吉田鋼太郎/深田恭子
音楽 川井憲次