★★☆☆☆
あらすじ
生真面目な警官が、任された防犯訓練の銀行強盗役に真剣に取り組んだ結果、予定調和で終わらず、どんどんと訓練の規模が大きくなっていく。
感想
お約束通りで終えるはずだった防犯訓練が、一人の生真面目な警官のおかげでどんどんと大ごとになっていってしまう物語だ。設定的にはコメディなのだろうが、あまり笑えるシーンもなく、ただだらだらと続くだけになってしまっているのが残念だ。
それによく考えると、この映画でやっていることは本当の銀行強盗とさほど変わらず、訓練ならではの面白さはあまり感じられない。多少、訓練の設定を確認するくだりがあるところくらいか。大の大人が真面目に銀行強盗ごっこをやっている姿が笑えるということなのかもしれないが、さすがにそれだけでは物足りなさがある。
もっとこの手の立てこもり事件でよく見られるようなシーンを、ギャグを交えてやって欲しかった。定番の食事の差し入れシーンすらなかった。
割と普通に立てこもりをしてしまうも訓練ゆえに緊張感はなく、大したことも起きないままに時間だけが過ぎていく。訓練が大ごとになってしまうアイデア自体は面白いが、それだけで2時間の映画を作るほどではなかったのかもしれない。
ただ、主演の本木雅弘は男前で華があり、存在感もあっただけに勿体なさを感じてしまう。もっと色々と出来ることがあったような気がしてしまう映画だ。
ラストもなんのケリがつくこともなく、とても中途半端な感じで終わってしまった。呆れてしまったが、このどんよりとした後味は、なんでも雰囲気でやってしまうので誰も自発的に終わらすことができず、そして総括もせずにやがて忘れてしまう日本人に対する皮肉だったのかもしれない。そこまで考えられてないような気はするが。
スタッフ/キャスト
監督 萩庭貞明
原作 遊びの時間は終らない
出演 本木雅弘/石橋蓮司/西川忠志/萩原流行/斎藤晴彦/原田大二郎/松澤一之/今井雅之/あめくみちこ/七瀬なつみ/木場勝己/モロ師岡/掛田誠/絵沢萌子
音楽 高木完