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「八月はエロスの匂い」 1972

八月はエロスの匂い

★★★☆☆

 

あらすじ

 デパートの宝石売場で働く女はある日強盗に遭うが、後日その犯人を街で見かけ、あとをつける。73分。

 

感想

 序盤に主人公が強盗に襲われるシーンがあるが、デパート内の様子や店員の着ている制服が、まるでジャッキー・チェンが活躍していたころの香港映画のようだった。日本も昔はこんな感じだったのかと感慨深くなる。しかし、もはや「デパートの宝石売場」というワード自体に古臭さを感じてしまう。今も普通に現役なのだが。

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 平凡な毎日を送っていた主人公が、強盗に遭遇した後に変わってしまった様子が描かれていく。この手の映画はもっと分かりやすくていいはずだが、自主制作映画ぽいというか、前衛的というか、異質な感じがするものに仕上がっている。粗い映像で変な間があり、独特の雰囲気だ。

 

 

 事件後、デート中に犯人を見かけた主人公は、彼らグループのあとをつける。このグループがいわゆるヒッピーの集団なのだが、アメリカンな感じだけでなく、和の雰囲気も持ち合わせていて、かなりのヤバさを醸し出していた。土着のヒッピー感がある。出来れば関わり合いたくないような集団だ。

 

 そんな集団なのに、ビビることなく執念深く追いかけてしまう主人公は、怖いもの見たさがあったのだろう。事件によって非日常が身近にあることを知り、それがもっと欲しくなってしまった。簡単に言ってしまえばスリルを求めているということだろう。事件でどうかしてしまった女の話だ。目覚めてしまった、とも言えるかもしれない。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 藤田敏八

 

脚本 大和屋竺

 

出演 川村真樹/片桐夕子/永井鷹男/むささび童子/粟津號

 

八月はエロスの匂い - Wikipedia

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