「名探偵ゴッド・アイ」　2013

★★☆☆☆

あらすじ

　元刑事で今は探偵の盲人の男に、幼い頃に失踪した幼馴染の捜査を依頼する女刑事。

感想

　有能だが変人の探偵とその助手という定番の組み合わせのコンビの物語。元刑事で、盲人となった後は懸賞金稼ぎの探偵となった男を演じるのはアンディ・ラウ。盲人でグルメで変人でという役を楽しそうに演じているのだが、こちらは冷めた視線でそれを見てしまう。この手の役をやると、本人が楽しんでいるだけと思ってしまう人と、怪演だと感心してしまう人の両タイプに分かれるのだが、それを分けているのは何なのだろうかと考えてしまう。演者から得意げな悦に入った様子が伝わって来るかどうかだろうか。

　そんな探偵とコンビを組むガサツな女刑事。物語のテンポも早く、二人が騒々しくワチャワチャしているので、どうも気分が落ち着かない。映画的にはどこか気取った、とぼけた雰囲気にしたいようではあるのだが、あまり成功しているとは思えず、ただただ小うるさいだけ。終盤の終盤にようやく慣れた。

　ただ、女刑事を演じるサミー・チョンは、ひどい扱いをしても大丈夫というか、多少殴られても蹴られても客が引かないような、不思議な雰囲気を持っている。ちょっと人をイラつかせる感じが、逆に良いのかもしれない。乱暴な扱いされても仕方ないよな、と思ってしまうような。

　本筋の女刑事の幼馴染の捜査だけでなく、いくつか別の事件の捜査も並行しながら物語は進むのだが、2時間を超える上映時間でとても長く感じた。メインの話だけで良かったのでは？と思わなくもないのだが、そうすると意外と平凡でありきたりの物語になってしまうのかもしれない。もしかしたら映画ではなく連続ドラマの方が良かったのでは、と思ってしまった。一話完結だが、背後で全話を通した大きな物語もあるというようなドラマ。

　とはいえ、本筋の事件もそんなに驚きがあるわけでもないのだが。ただ、幼馴染がヤバいやつだっただけ、という気がしないでもない。