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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「水のないプール」 1982

水のないプール [DVD]

★★★★☆

 

あらすじ

 クロロホルムを使用して、夜な夜な女性宅への侵入を繰り返す男。

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感想

 こういう物語の主人公は、別に孤独な独身男でも構わない気がするのだが、結婚して子供がいる設定になっている。この時代は、この年齢で結婚していないと相当な変人に見られてしまっていたという事なのだろうか。あくまでも普通の男の物語という事にするために、そういう設定にしておかなければならなかったのかもしれない。

 

 クロロホルムを使って眠らせて、女性宅へ侵入する男。実際にあった事件を題材にしているようで、現実世界で起きれば恐ろしい出来事だが、この映画ではファンタジックに描いている。水のないプールのように、満たされない心を抱えた男が、同じような気持ちを抱えた女たちの心を満たす。水のないプールでシャボン玉を吹く女の姿が繰り返し映し出され、幻想的な雰囲気を醸し出している。

 

 

 このファンタジー感は、主人公を演じる内田裕也のキャラクターによるところも大きい。無口で無愛想で怖そうだが、じっと見守るような愛情がある。言葉ではなく、見守ることで距離を縮めていくような。変にギラギラしていないし、無駄に鍛えた体もしてなくて、余計な色気を感じさせない等身大な所が良くて、それが逆にカッコいい。

内田裕也 俺は最低な奴さ

内田裕也 俺は最低な奴さ

  • 作者:内田 裕也
  • 発売日: 2009/11/16
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 何度も色んな女性宅へ侵入する様子が描かれるが、セクシーだったりコミカルだったりアーティスティックだったりと、飽きさせない工夫が凝らされている。そして最後はやっぱり年貢の納め時がやってくる。これははたから見れば感覚が麻痺して大胆になり過ぎた末の発覚と取られてしまうのかもしれないが、主人公からすれば女と信頼関係を築いてきたという自信があった上での行動の結果なのだろう。たとえそれで破滅したとしても構わないというような納得感が主人公にはあった。シャボン玉はいつか弾ける。

 

 本当であれば、襲われていた所を助けてやったMIE演じる女に手を出すのが一番簡単そうに見えるのだが、主人公からすればそれは違う、という事だったのだろう。なんだかわかるような気がする。

 

スタッフ/キャスト

監督/製作 若松孝二

 

脚本 内田栄一

 

出演 内田裕也/中村れい子/浅岡朱美/MIE/藤田弓子/殿山泰司/沢田研二/安岡力也/常田富士男/赤塚不二夫/タモリ

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音楽 大野克夫

 

水のないプール [DVD]

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  • 発売日: 2018/03/02
  • メディア: DVD
 

水のないプール - Wikipedia

水のないプール(若松監督作品)(R15+) | 映画 | 無料動画GYAO!

 

 

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